棚田部に試植してみた絶滅危惧種のミズアオイだったが二度にわたるハスモンヨトウの食害で丁度、花が咲くころまでに全株消えてしまったのだった。宿根草でも無いし開花株が無ければ種子も散布されず来季の開花は絶望だし「もう止ーめた!」との腹積もりだったけれど10月末になって数株が開花しているのを発見したのだ。
もとより開花直前で食べ尽くされた結果でもあり通常の大きさまでに育つ余裕もなく花径は長くても20cm程度なのでコナギと混同しそうな姿である。それでも花径がコナギと比較すれば長いからミズアオイだろうと信じている訳だけれど、これで来季に発芽が期待できそうに思える。まあ、ミズアオイが繁殖したところでまたハスモンヨトウのご馳走になるだけなのだろうが疑問に思う事がひとつだけあるのだった。
それは「原生地では何故食害されないか⁉」と言う事なのである。原生地での生育も開花状態も見に行ったことは無いので食害があるのか無かったのかさえ不明なのだが会の代表によるとフイールドのミズアオイが蕾も見せない頃に「開花していた」と言っていたから大丈夫だったのだろう。向こうは保全管理団体が世話をしているので薬剤散布を実施したとも考えられるけれどまあ、それはどっちでもよろしい。当方は薬剤は使わない立場だし群生させれば災いを呼ぶのもまた現世の倣いなのだ。