トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

二点位置流れ・昆虫スコイぜ!「春までお預かり…」

2023-11-22 | 小父のお隣さん

 小学生向けの「蛹の観察会」が終了して観察用蛹の一部を小生が預かる事になった。早春の羽化までの間なので5カ月くらいを自宅軒下で越冬させねばならない。屋外だと小鳥や野猫の被害に遭う可能性も高くなるしたとえ玄関内であっても外気よりは温かいから羽化が早まる可能性が高い。そんな事態になると砂糖水を与えたところで長生きはすまい。やはり外気の中で維持し自然な羽化が望ましいのだ。

 今回の蛹の親はフイールドで用意した種なので羽化したらフイールドに帰さねばならないけれどとりあえずは安全に越冬させるのが課題である。つらつら耄碌し斑な思考をそれでも動員し出した結論は「ネットで覆い春を待つ」事だ。寒冷紗で覆う方法もあるけれど「保温」されるきらいがあるのでここは「隙間風スウスウ」を維持させるために鉢底ネットで囲う事にしたのだ。プラ鉢の中に挿し花用のオアシスを固定し、そこに蛹の付いた竹櫛を差し込んでネットで覆うだけの簡単な設えである。自宅の外壁には毎冬、ジャコウアゲハの越冬幼虫「お菊虫」が二桁も引っ付いてきたのだが今期の幼虫の発生は零だったのでお菊虫は無し。まあ、代わりにアゲハの蛹が来たと考えれば良いのだろう。

 背中の曲がり角度で判別する     茶系だが3種と言われたかどうか…

 今回の蛹は3種類でその中には色違いがある。何故、色違いになるのかは環境周囲の色に合わせている事でもないらしい。S先生も判然としない現象では小生がモヤモヤしても始まらない。ここはシンプルに「羽化させて野に放つ」に徹しよう。お預かりする時にそれぞれの種を伝えられたのだが帰宅した時点で忘れている。メモしておけば防げたことなのだがあまりにも精妙な蛹の違いを見せられるとメモなど意中には無くなる。それでも似ている蛹の見分け方のひとつに背中の曲がり方の違いで判断する事は覚えているが「どっちがどっちだか…」のあり様ではなあ・・・。現段階の段取りでは「内部でチョウの姿が出来上がり蛹の色が変ったらフイールドの枝先に引っ越しさせて放蝶させる」考えだ。

 羽化の過程は感動ものだけれど自宅でのジャコウアゲハの羽化さえ一回たりとも出会わなかった。「明日は羽化する!」と早起きしても既に飛び立っていたり翅の展開硬化も終わっていたりと一期一会は手ぐすね引いていても難しいものである。それに引き換え一期一会だと直感してもカツカツの収入や不安定な身分が多くなってしまった社会情勢下では手ぐすね引くのではなく身を引く立場の男女が多いのだろうと妄想するけれどひどい社会に仕立てたものよのう。衆愚政治という様な表現があるが、昨今のそのものが衆愚議会であるからしてどうにもならんわ・・・。せめて籠の鳥ならぬ籠の蛹だけでも飛び立って世代を繋いでほしい。子どもたちの瞳を輝かせたご先祖様になるのだから。

 越冬容器