棚田の田植えをしなかった部分はミズアオイが大繁殖した。稲の周囲は一度だけ除草をしたから、再生はしたが水面が見える密度である。
ミズアオイの芽吹きの頃から楽しみにしていた花が、どういう理由なのか今年は一輪も咲かないのだろうと思っていた。
田植えをした田で大きく育っただけなら、一回だけ施した肥量の窒素分が理由になるだろうが、上部の肥料が流入しない棚田まで無花だったから訳が判らない。
昨年は開花していて今年は開花無しなど、実物ではないから裏年・表年なんてリズムは無いと思えるのだが、猛暑のせいだったのだろうか、そんな思案しか浮かばない「花見ず期」だった。
と、諦めていたら、近くの遊水地の群落が「開花した」とのニュースが新聞に載った。何のことは無い、開花時期を知らなかっただけの事である。稲穂は全滅したが、ミズアオイは可憐な花を見せてくれた。多少は慰めになる。この色はツユクサと同じ色素なのだろう、見ていて飽きない色である。そういえば「青いバラ」もこんな色合いを出してくれるといいのになあ。