西方苔土は湖沼の地でもある。環境こそ異なるが「トンボは居るだろう」と読んでいたのだが最初は肩透かしを食った。「蝶もいないしトンボも見れない」、そうなると小生には身の置き所が無くなってしまう。まして夜など無きに等しい明るい短夜の地だ。
「あっちのトンボ」と言っても彼岸では無い。海は渡ったけれど三途の川は渡っていないからである。「あっち」とは「60°20’N」辺りでけっして「アッチイ!」風土では無いのだが異常気象で暑かった。到着翌日は30℃超えで、連日言わば夏日の有様。
冬物仕立てで行ったから半袖は無く、購入しようとも車が無くては買い物すら出来ない。自販機ひとつない有様だから、お出かけはペットボトルに水を入れポケットに忍ばせての徘徊だった。結局Tシャツは借りて済ませた。
この快晴は四週間ほど続いたので苔類には大打撃だったろう。至る所枯れ色になり哀れだった。しかし庭の苔に水を与えると見る間に緑が現れる。よく耐えているのだ。
聞けば火災防止のため「バーベキュ禁止令」が出たとかで「庭の散水も許可制」なのだとか。そんなことは露知らず散水する人が多く「水源が危うい」話もあったようだった。
トンボの生息環境のひとつ、湖水では水涸れの心配は無かったものの、水中生活に最適な浅瀬の水草や水苔の部分は干上がってしまっている部分もあって、連日通っていると日干しになっていくのが目に見えた。
特に湿地地帯、池塘とでもいうべき環境は干上がるまで見ていたし、そうなるとトンボの飛翔は全く無くなって、恐らく卵もヤゴも死滅しただろう。
撮影出来たトンボ、確実は4種か。惜しむらくは撮影できなかったヤンマ系とサナエ系の二種である。ともに腹部の環状青色が美しく、撮影したかったのだが飛翔中だけでは捉えきれなかった。
マルタンヤンマやマダラヤンマの青色を多くしたような体色で高速飛翔中でも美しさは分かりすぎる程分かった。これだけが心残りである。
現地、ネットで日本語対照出来る事を確認したから「日本で」と思ったけれど、今のところ対照画像がヒットしない。そうでなくとも正しい名前など分かるはずもなく写真だけを連ねるしかないようである。
その写真だが作業をしやすくするため借りたカメラからPCに全て移動させたら画質が暗くなってしまった。「えーっ、デジタルなのに!」と憮然としたが後の祭り。ケータイからの移動は遜色ないのだから原因不明である。
よって「乞う、ご期待」と言えず、見難い写真が多くなったのはご承知おきくだされ・・・。
湖畔環境A
環境B、左側は干上がってしまった
環境C、
この夏や湖水にうかむ波の上 芭蕉