TVは、きょうになっても「巨大竜巻」の話題で大騒ぎ。確かに、かなりの被害が出たのだから、それ相応の報道は必要なのだろう。だが、大震災に比べれば、被害も限定的で、天変地異が起きたかのように騒ぐのはどうしたものか。
高速バス事故、巨大竜巻など、目先の話題がめまぐるしく変わる中で、「あの話はどうなったのだろう」という疑問を採り上げた新聞記事があった。きょうの「日刊ゲンダイ」の「巨大竜巻が福嶋原発4号機を襲う恐怖」という記事だ。
どんな大きな交通事故が起きても、巨大竜巻が街を襲っても、その被害は限定的。だが、巨大竜巻が福島原発4号機を襲って、現在ボロボロ状態になっている建屋が倒壊し、野ざらし状態になっている使用済み核燃料が大気中で燃えだしたとしたら…。それは、首都圏が被曝地域となり、日本国が事実上消滅することを意味する。何万分の一の確率かも知れないが、その可能性はゼロではない。
昨日、巨大竜巻が起きるかも知れないとして、TVのニュースキャスターが外出を控えるよう呼びかけていた。だが、昨年、3月11日からの一週間、マスメディアは学校を休校にしたり、会社を休むように呼びかけたりしたのか? 「今のところ何でもありません」と言い続け、多くの人々がヨウ素とセシウムに被曝するのを止めようともしなかったではないか。
些事には大騒ぎし、核心を突く問題は避けて通るというのが、我が国のマスメディアの常套手段なのだろう。マスメディアの使命などとよく言えたものだと思う。
原発問題の評論で知られる広瀬隆氏は、福島原発4号機の危険性を指摘し、いざというときには国外脱出できるように準備しているという。考えてみれば、巨大竜巻が建屋を直撃する可能性よりも、福島沖を震源とする巨大地震が起きて、再び津波が建屋を襲う可能性の方がずっと高いに違いない。
マスメディア発の目先の大騒ぎに踊らされずに、現下の危機の核心は何なのか、真剣に考えるべきときだろう。
「JIROの独断的日記」より引用
竜巻が茨城県つくば市ではなくて、福島第一原発を襲ったらどうなったか?
福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールは補強工事をしていない。
一応冷却水は循環しているが、プールそのものが壊れたら、これまでの100倍の放射性物質が
環境にバラ撒かれて、東京も深刻な被曝から免れない、と言われている。
福島近辺で大規模余震が起きて、4号機がやられたら、日本はおしまいだ、
と、小出裕章京都大学原子炉実験所助教はなんども言っている。
もしも、今日の竜巻が茨城県ではなくて、その北に隣接している福島で発生し、
竜巻が福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールを直撃したら、どうなったか。
使用済み核燃料は、水に浸かっていればいいが、大気に剥き出しになったら、近くに人が寄ったら
殆ど即死するほどの放射能を発している。
その使用済み核燃料が竜巻に吸い上げられ、周辺に落下したらどうなるか?
原爆が投下されたようなもので、手の付けようが無い。大惨事などという
生ぬるい表現では、済まない。
このように考えると、今日の竜巻の発生場所によっては、日本は滅んでいたかも知れない。
それなのに、政府は全く動かず、それを問題視する声もない。
全然危機管理の「想定」がなっていない。