今日から台湾駐日経済文化代表処(=台湾駐日大使館)※で「八田與一展~台湾を愛した日本人」が始まった。
※ http://www.taiwanembassy.org/JP/ct.asp?xItem=270773&ctNode=1448&mp=202
たまたま岩波新書「シリーズ日本近現代史③ 日清・日露戦争」(原田敬一著)の第四章「台湾征服戦争」を読んでいたので、そこに書かれていることと、台湾に八田與一記念館が作られ、今日から東京で八田與一展が行われるという事実が全く結びつかず、違和感ばかりが残った。岩波の本には、もちろん八田與一の名前もなく、後藤新平の業績さえ否定的に描かれている。台湾総督府が行ったこととして、言語の剥奪、神社の押しつけ、収奪される台湾経済などが列挙されていて、「日本帝国主義」に対する批判、憎悪感に満ちている。高校生がこんな本を「推薦図書」として読み、歴史を学ぶのだから、自国を憎悪する類の人々が増殖するのも無理からぬことか。
八田與一は台湾総督府の一技術者に過ぎなかった。その彼が、台湾でこれほど顕彰され、台湾の歴史の教科書に紹介されているという事実は、岩波書店が読者に吹き込んできた歴史観が実は非常に偏ったものであることを示している。
この度の「八田與一展」は、台湾の近代化に果たした八田與一・台湾総督府の役割を再認識するきっかけになってほしい。
駐日代表処芸文サロンで「八田與一展~台湾を愛した日本人~」開催(5/9~5/24)
台北駐日経済文化代表処は、公邸1階の「芸文サロン」で5月9日から5月24日まで、「八田與一展~台湾を愛した日本人~」を開催します。石川県金沢出身の八田與一は日本統治時代の台湾で、当時アジア最大、世界第3の規模を誇った台湾の烏山頭ダムと嘉南平原を潤す水路網の建設に、一生涯を注ぎ込んだ土木技師です。烏山頭ダムでは、八田與一の命日である5月8日に毎年有志による追悼活動が行われており、台湾の馬英九総統も就任以来、毎年参列しています。また、今年は八田與一が亡くなってから70周忌にあたる節目でもあります。
同展では、八田與一に関わる貴重な資料を選び展示し、台湾を愛した八田與一の全体像にスポットをあて、紹介します。八田與一が成し遂げた台日の絆の大切さを理解していただけることでしょう。
展示内容(約60点を予定)
Ⅰ 八田與一とは
Ⅱ 台湾を愛した八田與一
Ⅲ 語り継がれる八田與一
Ⅳ 台湾から愛される八田與一
【会期】2012年5月9日(水)~5月24日(木)
【開館時間】10:00~16:00(入場は15:30まで)土・日休館/入場無料
10日(木)と15日(火)の11:30~14:00は臨時休館させていただきます。
【会場】台北駐日経済文化代表処公邸1階「芸文サロン」
東京都港区白金台5-20-2
(地下鉄南北線・三田線「白金台駅」1番出口より徒歩5分、JR山手線「目黒駅」東口より徒歩10分、バス「白金台5丁目」下車徒歩1分)
【主催】台北駐日経済文化代表処 (TEL:03-3280-9717, http://www.roc-taiwan.org/JP/)
【協力】金沢市、北國新聞、八田成子、八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会、八田技師生家、八田章子、株式会社ムラヤマ
【後援】金沢ふるさと偉人館、金沢市花園公民館、花園小学校