澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「お人好し」日本ができること

2012年09月01日 19時06分12秒 | 政治

  社説で「一部にナショナリズムを煽る人がいる」と暗に石原都知事を非難した朝日新聞。「朝日」が最も恐れるのは、日本人のナショナリズムが昂揚すること。「冷静な対応を」「相手側にもそれなりの事情があるから、理解を」と言いながら、世論の”沈静化”を図る、これが「朝日」の常套手段だ。
 これとは対照的に「産経」の記事は、「お人よし」日本に警鐘を鳴らしている。現下の竹島・尖閣諸島問題の深刻さを見れば、どちらの主張にリアリティがあるかは明らかだ。

 「産経」が「魯迅の「阿Q正伝」描く民衆よろしく付和雷同して「小日本」を叫ぶ中国人デモ」と表現しているのには共感できる。「朝日」ではあり得ない直截的な表現が、問題の核心を突いている。

 「平和」「共生」「地球市民」など寝惚けたことを言っていれば、邪悪な相手の思う壺。ここは心してあらゆる対抗手段を講じるべきだろう。

 

中韓との相克…「お人よし」日本、通貨政策の転機

産経新聞 8月31日(金)12時12分配信

 「夜郎自大」さながら日本を見下す韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領、魯迅の「阿Q正伝」描く民衆よろしく付和雷同して「小日本」を叫ぶ中国人デモ。李氏の竹島、中国系活動家の尖閣諸島への不法上陸を機に、日韓、日中の協調ムードに冷水がかかったが、中韓との相克は、国際的にもまれな「お人よし」日本の対中韓経済政策見直しの好機である。

 もともと、今回の紛争が起きなくても、3カ国の経済協調の現行の仕組みは脆弱(ぜいじゃく)な基盤の上に成り立っていた。最大の欠陥は、肝心の通貨・金融分野が一方通行でしかない点だ。中国の場合、日本など海外の企業や金融機関の人民元保有や売り買いを限定する。人民元相場を管理して安い水準に維持して輸出攻勢をかける。中国は思う存分に日本の企業、水源地の山林を含む不動産や国債、株式を買いまくるくせに、自国への日本などからの資産投資を厳しく制限する。

 韓国の場合、円に対する通貨ウォンの超安値を放置し、サムスンなど韓国企業の対日競争力を飛躍的に高めてきた。

 2国間や多国間の経済関係というのはいくら「自由」「協調」「互恵」など教科書的な美辞麗句で飾られようとも、内実は自国にとって都合のよい仕組みを他国に押し付け合うゲームなのである。なのに、日本は中国と韓国に対して唯々諾々と言いなりになってきた。

 それは「アジア随一の先進国」の度量だったかもしれないが、状況はとっくに変わった。日本は「20年デフレ」で国力は衰退を続け、他方の中韓は増長著しい。李大統領は竹島上陸のあと、日本の国際社会での影響力について「昔と同じではない」と述べたそうだが、侮りに近い対日観は中国にも共通しているはずだ。

 具体的にどうすべきか。10月末に期限が到来する通貨交換(スワップ)協定を例にとろう。昨年、枠が大幅に拡大された同協定のおかげで韓国は国際金融市場で交換性に乏しいローカル通貨ウォンを刷っては国際通貨である円やドルとたやすく交換できる。韓国は4年前のリーマン・ショック後、急落したウォンを放置してきた。ウォンは円に対して5割以上も安くなり、サムスンなど韓国企業大手は国際市場で日本のライバル企業を圧倒、苦境に追い込んでいる。おまけに為替相場に連動して韓国株は上がり、日本株が下落する。

 韓国の弱みは逃げ足の速い外国資金に依存していることだ。ユーロ危機が悪化するたびに、昨秋から欧州系金融機関が韓国などから短期資金を引き揚げるようになった。ウォン崩落を避けるためには大幅な利上げしかないが、韓国は日本のおかげで安心して低金利、ウォン安政策を続けられる。何しろ韓国の対外短期債務総額は1360億ドルに上るが、その半額以上をスワップによって難なく日本から調達できる。韓国にとってよいとこずくめ、日本にとってはマイナスどころか、自壊装置だ。

 野田政権は事ここにいたってようやく、スワップ協定を延長するかどうかは「白紙」と言い出したが、外交上の不快感表明のレベルで済ますべきではない。この際、韓国に対し、円に対するウォン安政策の是正を求め、受け入れないなら延長しない冷徹さが欠かせない。それは、自国にとっての不利益を解消し、利益を増強するという、世界では当たり前の通貨政策に粛々と回帰する嚆矢(こうし)となるはずだ。(編集委員・田村秀男)