横浜中華街の風景(2012.9.27)
明日が「日中国交正常化40周年」の記念日だそうだ。尖閣事件で中国・中国人の本性が露わになるなか、中国研究の大御所・中嶋嶺雄氏(国際教養大学学長)が月刊誌に「日中国交回復は誤りだった」という論文を発表した。私は未読なのだが、タイトルを見ただけで、中嶋氏の思いが伝わってくる気がする。
今朝の「読売」の記事には驚かされた。中国外務省・報道局長が「(第2次世界大戦の)敗戦国が戦勝国の領土を占領するなど、もってのほかだ」 と発言したという記事だ。(下記参照)
戦後70年近くになって、「戦勝国」の権利を主張する中国という国は、実に厄介な国だ。確かに「中国」は、国際法上、第二次世界大戦における戦勝国だが、その「中国」とは中華民国だった。国共内戦の結果、中華民国は台湾に流亡。しかし、冷戦が続く1970年代までは、「中国」を代表して国連に加盟し、常任理事国となっていたのは周知の通りだ。ちなみに、「国際連合」は、中国語では「聯合國」。英語では、United Nations(UN)であるから、中国語の表記が本来の意味を正確に表している。
「国際連合」という日本語は、敗戦国であるが故に偽造された訳語だと言えよう。「聯合國」は、米英仏中ソなどの戦勝国を指す言葉で、価値中立的な「国際連合」などという、都合のいい言葉は、存在しないのだ。 いつでも現実を曖昧にごまかす日本人の特性がここにも表れている。
だが、だからといって、大方の日本人は、第二次世界大戦において、中国と戦って破れたとは思っていない。太平洋戦争(日米戦争)に破れたと思っているに過ぎない。尖閣諸島国有化をめぐって中国が「戦勝国」であると改めて主張したことについて、驚いている日本人も多いのではないか。
思い返すと、日中国交回復後、日本はどれほど中国にODA援助をして、中国の経済発展を助けたことか。日本の技術・資金を利用して「経済大国」にのし上がった途端、もみ手の態度を急変し、恫喝する側に回る。しかも、東日本大震災という日本の国難を見据えた上での恫喝だ。
中国共産党一党独裁の中国は、建国後63年、何をしてきたのか? チベット、新彊ウイグル、内モンゴルを軍事占領、満州は「東北」と名を変えさせられ、満州人の言語文化は消滅した。大躍進運動、プロレタリア文化大革命は、数千万人とされる餓死者、虐殺者をもたらした。こんな国を「日中友好」と奉って、真実の姿を報道しないマスメディアには、大きな責任がある。
繰り返すが、「敗戦国が戦勝国の領土を占領するなど、もってのほかだ」と言われて、これに反論しない民主党政権の態度は、全く歴史意識、歴史認識が欠落している。ここは激怒して反論してもいいくらいのときなのに「もう止めましょうよ、我々は品性のある国民なんですから」(野田)などと言っていると、間違いなく沖縄まで盗られてしまうだろう。
「敗戦国が戦勝国の領土を占領」中国が日本批判
ただ、日本側は、尖閣諸島には領土問題は存在しないとの立場をもとに、中国側の挑発に乗らず冷静に対応する構えだ。
首相は26日(日本時間27日)の演説で、尖閣諸島周辺の領海に中国公船が侵入を繰り返したことを念頭に「主義主張を一方的な力や威嚇を用いて実現しようとする試み」などと批判。その後の記者会見では「妥協はあり得ない」と訴えた。
首相の国連演説に対し、中国外務省の秦剛(チンガン)報道局長は暗に日本を非難する談話を出した。さらに、秦局長は27日昼の記者会見で、首相の記者会見について、「(第2次世界大戦の)敗戦国が戦勝国の領土を占領するなど、もってのほかだ」などと日本を名指しで非難する長文の談話を発表した。