澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

高雄市立歴史博物館で「二二八事件」展示を見る

2016年03月19日 14時12分36秒 | 台湾

 先週末から今週初めまで、台湾の結婚式に出席するため高雄市を訪れた。昨年末、台湾最南端の鵝鑾鼻(がらんび)岬に行くために来たので、三か月ぶりになる。

 8年ほど前、高雄市立歴史博物館(旧・高雄市庁舎)を訪れたときは、館内整備中とのことで、中には入れなかった。この建物は、日本統治時代の1939年、当時の高雄市庁舎として建設され、1992年まで高雄市庁舎として使用された。それ以降は、市立歴史博物館として使われている。


「1939年 昭和十四年 市役所建立」と書かれた館内の案内表示

 今回たまたま、この高雄市立歴史博物館では「二二八事件微縮模擬場景 二二八 0306特展」という展示会が開かれていた。この博物館は、美しい愛河のほとりに位置して、今は市民の散歩コースになっているのだが、「二二八事件」では壮絶な殺戮の場と化した。
 まず、現在の歴史博物館を正面から撮った写真を見ていただきたい。

高雄市立歴史博物館(旧高雄市役所庁舎)の正面 2016年3月12日撮影

 1947年2月28日、中国国民党(蒋介石)政権は、台湾人の知識人・指導層を狙って政治弾圧を開始した。台湾全土で、何の法的理由、法的手続きもなく、三万人近い台湾人(台湾の日本語世代)が虐殺された。これが「二二八事件」だが、高雄市においても例外ではなかった。高雄における虐殺現場が、まさにこの市役所前広場だったという。「微縮模擬場景」という展示は、その情景をジオラマ式に次のように展示している。


二二八事件(1947年)における高雄市庁舎前の殺戮(「微縮模擬場景」展示)


蒋介石=国民党軍が行った「二二八事件」の虐殺を描いたイラスト絵


展示会のパンフレット

 
この「二二八事件」(1947年)は当時、GHQ統治下にあった日本には詳しくは伝わらなかった。実は、今なお、台湾人(本省人)の多くが「親日的」であるという事実の背景には、この事件の記憶が横たわっている。台湾では、李登輝氏が登場する1980年代後半になるまで、「二二八事件」の存在を口にすることさえできなかった。今から30年前、まだ多くの日本語世代は各界で活躍していたから、中国国民党一党独裁に対する憤りと、日本統治時代に対する肯定的評価が、実感として社会の隅々に潜在化していたに違いない。李登輝総統の登場による台湾の民主化が、一気にその感情を顕在化させたのだと言えるだろう。
 東日本大震災時、最大の義援金を届けてくれたのが台湾だった。「悪いことばかりした日本」のはずなのに、かくも温かい支援が届いたのは何故なのか。この肝心な点に、マスメディアは全く触れなかった。その理由は、「中国はひとつ」「台湾は中国に属する」とする中共(中国共産党)の教条に逆らえず、「親日的台湾」に言及すれば
中共の逆鱗に触れることを恐れたからだ。TV番組では「日本統治時代、日本は台湾の近代化に大きく寄与した」という事実に触れるのは、暗黙のタブーになっているはずだ。

 繰り返しになるけれども、誰がいったい旧宗主国(日本)の建物に、旧宗主国の年号(昭和)で建立年を記すだろうか?中国が、韓国が、北朝鮮は…!?台湾をおいて他には考えられないではないか。台湾(中華民國)がいかに「親日的」であるかを示す実例なのだが、昨年7月、耳を疑うようなニュースが伝えられた。
 それは「1971年、国連における中国代表権問題に関連して、
昭和天皇が佐藤栄作首相に”蒋介石を支持するように”と伝えた」というニュースだった。ここには、二つの問題が存在する。

①日本国憲法では禁じられているはずの政治的発言を昭和天皇が平然とおこなっていたこと、
②昭和天皇は、自分の「命の恩人」である蒋介石を守れと言いながら、その蒋介石に無残に虐殺されたかつての「わが臣民」「わが民草」(=すなわち、日本統治時代を経験した台湾人)については、一顧だにせず、その酷薄さが明らかになったこと。

 このニュースを聴いた、台湾の日本語世代(もう85歳以上になったご老人たち)は、何を思っただろうか。この昭和天皇の言動は「昭和」の年号を肯定する台湾人の心情を踏みにじるものではないのか。そのことを考えると、日本人が誤魔化してきた戦争責任の問題に改めて踏み込まざるを得ない気がしてくる。
 上記のことは、ほとんどの人が言及しないのだが、ここで触れておく。


かつての国民学校の授業風景。「大東亜共栄圏」と書かれている。(館内展示)

 旧高雄市役所であった歴史博物館の建物は、堅牢かつ質実剛健の趣。台湾を訪れ、日本統治時代の歴史建造物を見るとき、いつも近現代史を顧みる必要性を実感する。
親日的」な台湾・台湾人がいつまでもこのままではありえないのだから、せっかくの友好を続けるためにも、
歴史をありのままに直視すべきなのだろう。


 日本統治時代の高雄市役所(高雄市立歴史博物館発行の絵葉書より) 


階段の手すりには「桜」の文様が使われている。(右下)


愛河(Love River)のほとり(写真右)に歴史博物館がある

 


《高雄市立歴史博物館HPより「二二八事件」展示部分を転載》

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國內首見的二二八事件微縮模擬場景-二二八.0306特展


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二二八事件堪稱是台灣史上最重大歷史事件之一,不僅奪取了無數民眾的身家性命,造成族群間的裂痕,也嚴重地傷害了倖存者與受難者家屬的心靈。經過這麼多年,亦適逢二二八事件65週年,也讓我們反思紀念這段歷史的時代意義。今(101)年高雄市二二八和平紀念活動以《愛的進行式》為主題辦理一系列的228和平紀念活動,以表示仇恨無法長久,唯有愛能包容一切。
高雄市政府今日(28日)在高雄市二二八和平公園舉行「2012年高雄市二二八和平紀念追思儀式」,市長陳菊、文化局局長史哲、及高雄市二二八關懷協會理事長凃世文等高雄市二二八事件受難者本人與家屬皆到場參與。追思儀式在世紀少年兒童合唱團演唱的〈平安.台灣〉、〈美濃山歌〉、〈原住民組曲〉等樂曲中展開。在全場默哀一分鐘後,並由高雄在地傑出的南風劇團帶來以作家胡長松先生作品《槍聲》改編之同名行動劇〈槍聲〉,原著中故事細膩情節緊密,現場演出考量儀式時間與場地等因素,特別擷取書中事件,呈現壓迫與重生為核心主題。劇中反覆出現的問句,也問出劇中人物的疑問,問出大眾對於228事件,難以化解的苦痛。
市長陳菊並代表大高雄全體市民,將象徵和平的百合花束獻給受難家屬代表,同時獻上對受難者最深刻的感念,向所有爭取民主、人權的先行者致敬。現場亦邀請市長代表所有的市民將象徵和平的百合花束獻給受難家屬代表,同時獻上高雄市民對受難者最深刻的感念。期望能透過紀念儀式,讓我們《以愛相會》用愛包容一切。
同日,高雄市立歷史博物館也重新詮釋二二八常設展的展示手法推出以突破國內現有各種二二八事件展示方式,推出「二二八.0306見證台灣特展」。高雄市立歷史博物館自1999年辦理二二八常設展以來,期間曾於2005年進行換展,今年適逢二二八事件65週年,為優化展示方式,彰顯二二八事件中於此處所發生國內首波鎮壓行動之重大意義,特地辦理常設展更新,所以本次展覽的規劃,將特別從高雄的角度來觀看高雄二二八事件,因此分別從「重返二二八的年代」、「二二八事件在高雄」、「南部二二八」三個主題切入探討,使參觀民眾可以深入理解、思索二二八事件在高雄的特殊性與意義。
1947年3月6日伴隨著飄落的細雨,二二八事件中政府軍隊正式武力鎮壓的第一聲槍響便是在高雄市政府(今高雄市立歷史博物館)響起,也開始了高雄二二八事件中一連串的犧牲。因此,重現此歷史情境,實有其重要意義,所以高雄歷史博物館重新規劃「二二八•0306」主題展,並訂於二二八紀念日當天在追思儀式後正式開展。
高雄市立歷史博物館自1999年辦理二二八常設展以來,期間曾於2005年進行換展,今年適逢二二八事件65週年,為優化展示方式,彰顯二二八事件中於此處所發生國內首波鎮壓行動之重大意義,特地辦理常設展更新,所以本次展覽的規劃,將特別從高雄的角度來觀看高雄二二八事件,因此分別從「重返二二八的年代」、「二二八事件在高雄」、「南部二二八」三個主題切入探討,使參觀民眾可以深入理解、思索二二八事件在高雄的特殊性與意義。
高雄歷史博物館策劃二二八展覽的意義,在於此地為高雄二二八事件中,政府軍隊武力鎮壓最慘烈的現場之一,更是全台單一地點死傷人數最多的地方,這段記憶對高雄是深刻的,想想看65年前在這裡,在大家的四周曾發生這一段悲傷的事件,我們的心情事沈重的,更是肅穆的,認真地看待這段歷史便是身處事件現場的博物館所必須擔負的責任,所以將二二八事件的歷史意義教育給下一代也是本館開館以來的重要使命之一。
高雄市立歷史博物館本身除了是高雄二二八事件中的重要鎮壓現場,更是全台單一地點死傷人數最多的地方,因此為了突破國內現有各種二二八事件展示方式,更加貼近現地展示在此處發生的武力鎮壓過程,博物館打造國內首見的二二八事件微縮模擬場景來重現本歷史事件現場,透過拍攝電影之展演手法重現歷史事件,運用擬真人偶與音效、燈光、微型攝影裝置進行情境式的微縮場景展演,藉由極精細的微縮場景再現歷史情境,具體而微地呈現事件經過,帶領參觀民眾重新回到歷史現場,使參觀民眾能身歷其境、對受難者及其家屬感同身受,並搭配相關文物展示,對高雄二二八事件的特殊性、爭議性及歷史意義產生共鳴,進而深入瞭解二二八事件歷史。本展覽將自2月28日當日於高雄市立歷史博物館二樓開展,歡迎市民朋友們造訪市立歷史博物館時,不妨跟著歷史的腳步上到博物館二樓,身歷其境國內首創劇場式微縮場景,帶您見證台灣歷史的重大時刻。繪本書巡迴展及二二八.0306見證台灣特展相關訊息,請上高雄市立歷史博物館官網及二二八系列活動官網khm.gov.tw/2012228查詢。
為紀念1947年春天所發生的二二八事件,高雄市政府特別於2月28日,舉辦2012年高雄市二二八和平紀念追思儀式,期望能透過紀念儀式,弭平仇恨,用愛包容一切。