今は日本と韓国のキムチは似ているが、朝鮮漬という名の日本の漬物があった。60年ほど前の漬物でこの存在を語れる人も少なくなった。この日本の辛い味付けの漬物は今の漬物の分類では醤油漬けとなる。漬物も戦後になって、自家製から店舗で購入される時代となって、新規の味の開発が盛んとなった。そこに添加物販売業者の乱立から.意外と早く日本の漬物業者へ味の普及が進みました。この味の普及は戦争中朝鮮半島に滞在し、戦後引き上げた人たちに馴染んでいた味でした。キュウリの朝鮮漬、沢庵キムチ等と素材を変え次々と製品が生まれました。
いつの時代もそこそこ利益が出れば、漬物は新規参入しやすい仕事でした。そこで過当競争となり、余った素材を新規の味ということで朝鮮漬けが普及しました。それには醤油漬けという選択しかなかったのです。戦後まだ冷蔵庫は家庭に入っても店舗・輸送業者に低温流通が普及するには至りませんでした。従ってポリ袋に入れて加熱殺菌して流通普及させる必要がありました。さらに日持ちさせるため、防腐材が入ります。戦後醤油が不足している時代に粗悪な醤油を使用して漬物を造っていました。醤油の原料の大豆が食用として出回っていたり、大陸から大豆が入らなかったこともあると思います。粗悪な醤油には安息香酸(今は使用禁止)という保存料が入っていました。そこで漬物業者は厚生省に働きかけ漬物に保存料を入ることに承認を受けました。それが今は拡大解釈され多くの漬物に保存料が使用されるようになりました。しかし浅漬けと梅干に関しては保存料使用は今でも違反となります。このことが過熱殺菌しない韓国のキムチ信奉者を刺激しました。日本からアメリカ等の国へ日持ちする(キムチ)が輸出されていました。これはキムチでないと騒いだのが韓国の人たちでした。冷蔵保存する必要のない日本のキムチは本物信奉者を刺激したようです。同様の事例はアメリカで寿司に魚以外の素材を入れた寿司が日本人が邪道と言っていました。いつの時代も食品はこのような問題があって変化しています。