お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ツチノコの様な短いタツウミヘビ属

2024年09月25日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと目の前にウミヘビ科の魚が泳いで来る。見た目にタツウミヘビ属と思われる。今までに何度も定置網に入っていたのだが長くて大きな為、家で冷凍保存するのも魚ボラで標本処理するのも大変そうなので1個体だけ確保してあとは見送り確保して来なかった。なので最近は標本を集める為に探していたところである。という事で確保する為直ぐにタモ網で掬おうとする。だが、長さと力がありタモ網に入れても直ぐに出てしまう。勢いで何とかデッキ上に上げて確保する。漁を終え帰港し改めて確保した標本を見ると今まで見て来た個体とは明らかに長さが短く、何だかツチノコの様に見えてしまう。家に帰り今までのタツウミヘビ属(ブログ2022 1.15)の写真を見るとやはり今回の個体は明らかに頭長に対して体長が短い。そうなると今までの種とは別種の疑いもある。ただでさえ苦手なウミヘビ科である。直ぐに大学へ持ち込んだ方がいいのか悩み、ちょっとヒントが欲しくて旧ツイッターに投稿する。すると有難いことに信頼するウナギ目の研究者の方からコメントが入り、日本未記録種の可能性もあるが標本数が少なく国内種との比較がまだ不十分でわからないとの事である。判明するには時間が掛かりそうであるが数多く標本を登録しておく必要があるので大学へ持ち込もうと思い魚ボラの先生に連絡する。すると携帯は繋がったものの学生共々調査で海外にいるとの事である。という事で今から急いで大学へ走ることはなくなり、冷凍保存し機会を見て大学へ持ち込み標本登録することとなる。
タツウミヘビ属









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気になるマルヒラアジ確保

2024年09月16日 | 定置網
 今日は定置網漁で魚を漁獲していると顔つきが違う感じのマルヒラアジを発見。マルヒラアジは頭部背縁が直線的であるのだが、近年頭部背縁が凹む個体が現れ(ブログ2022 1.21)、その特徴が強く現れた個体だろうかと思い、その場ではスルーする。だが、漁を終え帰港し、市場への水揚げ時にもう一度よく見るとやはり気になる。ひょっとして国内未記録種の可能性も考えられ、後悔したくないので調べてみる為に一応標本用に確保する。家に帰りホルマリンを使わず展鰭し、写真を撮り検索図鑑やネットで調べる。だが、形態的には頭部背縁の形状以外はマルヒラアジとなる。結局自分で調べた限りでは海外産にも似たような種は見つからず、この個体はマルヒラアジの奇形と判断する。魚ボラの標本用に確保しているので後は魚ボラ任せとする。
マルヒラアジ?


写真下が普通のマルヒラアジ


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厄介で大きなマダラエイだけど

2024年09月04日 | 定置網
 台風10号が猛威を振るい、昨日ようやく揚げた定置網を入れ終え期待の今朝。定置網漁を操業するとシイラや小さめのカンパチ、ヘダイなどが入り乱れている。その中に大きなエイがいるのが見える。サイズからマダラエイかウシエイだろうと思い、サイズが大きいのでクレーンを使わないと上がらなさそうなので厄介だなと思う。上がって来たエイを見るとまだら模様が見えマダラエイの様である。見ると1個体だけではないみたい。魚を掬うのに邪魔になるので先にクレーンで引っ掛けデッキ上に揚げる。その後も魚を掬っているとまたマダラエイが邪魔をしてクレーンを使い揚げる。マダラエイを取り揚げても取り揚げても次から次へと魚の中から湧いて来るかのように出て来るではないか。一体何個体網の中にいるのだろうか。結局大きなマダラエイは8個体も入網していた。デッキ上に揚げたメス個体から胎児が出て来る。3個体出て来たのでこちらは標本用に確保する。マダラエイはたまに定置網に入網するのだが、いつもサイズが大きく標本用に確保出来ないでいたのだが、昨年ようやく確保している(ブログ2023 4.27)。あれだけマダラエイの標本確保に苦労したのに今回はあっさりと3個体も確保してしまう。今回は胎児な為サイズが小さく自宅で冷凍保存となり、直ぐに大学へ走らないで済む。
大きなマダラエイが入網

マダラエイの胎児が出て来て確保



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