お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

キンセンイシモチ

2009年05月14日 | 定置網
昨日に続き今日も定置網ではテンジクダイ科の魚が多い。昨日の晩に魚ボラで目に焼き付けてきたキンセンイシモチのライン型を探す。今日は昨日に比べるとキンセンイシモチの混ざっている割合が極端に少ない。最初に見つけた個体を手にすると、いきなりライン型である。幸先良かったがその後見つけることはできず、結局ライン型を確保できたのは今日も1個体のみ。比較用にドット型も1個体持ち帰り撮影する。写真上が鰓蓋から腹部にかけての白色縦線が細く実線状だるライン型、写真下がその線が破線状になるドット型である。写真では分かりにくいがライン型の方が体中央の橙黄色縦線の幅が広く、さらに下顎下から腹部にかけて橙黄色であるので色が鮮やかに見える。この両者を調べてみると2003年の魚類学雑誌でミトコンドリアDNAの比較などにより独立した2種であると報告されている。学名はまだ検討中という事で標準和名も与えられていない。という事はどちらかが新種となるのだろう。この白色縦線は固定すると恐らく消えてしまうと思われる。となるとキンセンイシモチのタイプ標本がライン型かドット型か今更分かるのだろうか。ただ、それだけではないとは思うけど。
*キンセンイシモチには2種混同されていましたが遺伝子と形態解析により2種に分かれ、ライン型が本来のキンセンイシモチ、ドット型がスジオイシモチとなりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする