昨年からかごしま水族館の職員の方から、水族館ボランティアの方々へ漁業の講話をして欲しいと頼まれていた。まだ時間があると余裕を持っていたが、あっという間にこの日を迎えてしまう。講話の時間は2時間取ってあるとの事で、話だけで時間が持つとは思えないので写真を使って説明する形で行う。それでも時間が余りそうなので定置網で使う道具をいろいろと持ち込む。ところがいざ講話を始めるとあっという間に時間は経ち、話だけで2時間経ってしまい、質問の時間が時間延長となってしまう。持ち込んだ道具も披露する事無く、何とか無事に終わる。終了後、視聴下さったボランティアの方々から美味しいお土産まで頂いてしまう。
今日は水族館講話後に鹿児島大学へ寄る。昨日魚ボラの標本用に頂いたクサビフグを持ち込み、標本登録してもらう。DNA解析用に背を切り、肉片を採取。クサビフグは全体を甲羅のようなもので覆われているので皮が固い。ホルマリンにそのまま浸けても中まで浸み渡らないのであちこちと切り刻む。腹部を切ると身は無く、厚い皮一枚である。臓器を見ると発達した精巣が出てきて、雄個体とわかる。口を見ると漏斗状の口の奥にフグ独特の立派な歯が見える。だが、この狭い口の奥に丈夫な歯があってもどうやって摂餌するのか疑問である。何かと生態がとても気になる魚である。