奈良県橿原市にある今井町へ行って来ました。
昨日は、今井町が一番賑わうという「今井六斎市」。
近鉄八木西口で降り、飛鳥川を越えて今井町へ。
向こうに見えるのは、大和三山の一つ「畝傍山」。
8:30頃に着き、まだ観光客
が訪れない静かな今井町を
散策しました。
民家の軒先、それも玄関灯に
ツバメが巣を作っています。
抱卵中でしょう。
カメラを向ける私に
少々、おかんむり。
全域ではないのですが、このあたりの電線は、
地中化されすっきりとした街並みです。
こんな長屋に住んでみたい。
普段は、ひっそりとした今井町ですが、今日は大賑わい。
御堂筋という狭い路地に露天の店が並び、
お琴・尺八の演奏会や、奈良の名物「茶粥」、
呈茶席の会場もありました。
ボーイスカウトに先導され茶行列が始まりました。
今井町にゆかりのある茶人「今井宗久」と、お茶を
テーマに時代衣装を着た人々が町内を練り歩きます。
信長に扮したのは、市長さん・・・だとか。
大阪の堺市からも参加。
今井町は、江戸時代、堺と並び自治的特権が
認められたとか、その縁でしょうか・・・。
今井町は、戦国時代に、一向宗の門徒が「称念寺」という
お寺を建て、自衛の為の武力を持ち、寺を中心として
発展してきた寺内町。
その後、信長に降伏後、商業都市として変貌し、
江戸時代には、大和の金の7分は、今井町に
集まると言われたほどの町。
空襲にも遭わなかったのだろう。
今も江戸時代の姿がよく残っている街並み。
その、出発点となった「称念寺」に、茶行列が入って行く。
本堂前で、ご住職からなにやらお札のようなものが
一人、ひとりに手渡されていた。
なんと、ご住職は美しい女性。
療養中のお兄さんに代わってご住職を務めておられるとか・・・。
以前、今井町へ来た時聞いた話を思い出した。
シンボルでもある「称念寺」の屋根など、建物の傷み具合が
私でも分かり、「補修は・・・?」と、聞いてみた。
「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されていると、
毎年、建物の外観を補修する補助金が出るらしい。
「称念寺」さんは、「後でいいから・・・。」という事で
街並みを優先して、補助金を使っておられるとか・・・。
優しそうなお顔を拝見して、その話もうなづけた。
葬式は要らない、宗教色無しで・・・と、常々思っている
私だが、このご住職さんになら見送っていただきたい・・・。
そんな気になり、混雑する今井町を後にしました。