我ら夫婦は団塊の世代。
私は20年程前からヒザを痛め、最近は1時間歩けばヒザが痛い。
そんな私が歩けるだろうか?
まぁ、痛くなったら引き返せばいいんだからと、屋久島の人気スポット白谷雲水峡へ。
忘れないうちに、そのハードだった行程を写真多用してアップしておきます。
まず、宿選びを地理的な面から言えば間違った。
宿泊したJRホテルは、島の南部尾之間にあり、白谷雲水峡は、島の北部。
尾之間から入り口となる宮之浦までは約1時間かかる。
この宮之浦にある田代別館に泊まれば、その1時間は節約出来、後は30分程で白谷雲水峡入口へ行ける。
つまり、私達は入り口まで1時間半かかった。
途中、宮之浦の観光センターでステッキを借りた。
トレッキングに必要なものは、雨具や靴にいたるまでレンタル出来るレンタルショップがいくつかある。
基本は前日に借りて、翌日返却する1泊2日で料金が設定されている。
レンタルショップの開店時間はたいがい9時なので、前日に借りておかなければいけない。
くねくね細い白谷林道を30分程走り、駐車場へ。
ここで協力金500円を支払う。
絵葉書になる入場券にヤクスギランドの協力金が200円引きになる半券が付いている。
ステッキは、私の分だけ借りた。
レンタル店のスタッフは、「白谷雲水峡ならステッキは要らないよ」と、言われたが
なんのなんの、大いに役立ち、これが無かったらもっと時間がかかっていたと思う。
おぉ、ここに杖がたくさん。
相方はこれを1本借りて出発。
ここに杖があるのが分かっていたら、私もステッキを借りる必要はなかった。
若くはない皆さん、絶対にこの杖を借りて出発して下さい。
きっと、役に立ちますよ。
さぁ、出発。
石畳や階段の歩きやすい道が続きますが、これで安心してはいけない。
すぐに憩いの大岩が現れた。
これも遊歩道の一部です。
岩には足を乗せるステップが刻まれている。
これがなかったら滑ってしまうかも。
大きな岩を根っこが抱き込んで。
こういうの、あちこちで見ました。
飛流橋に到着。
右手は、第2駐車場へ続く飛流歩道。
私達は、正面から上がって来た。
飛流橋下の渓流は、きれいな緑。
岩の間を飛流おとしという名の滝が流れ落ちる。
さつき吊り橋です。
ここまでは歩きやすい道でした。
借りたステッキはリュックに差して、行きは使いません。
12番の楠川歩道へ向かいます。
おぉ~、いきなり急登。
いけないのでしょうが、丁度いい所に根っこがあり、これをつかみながら登りました。
相方、ここで私はリタイアするのではないか・・・と、思ったらしいです。
以前、福井県の刈込池へ行った折、すぐそこに目的地の池があるのに、急登に嫌気がさし、
「帰るわ!」と、戻り、呆れられた事がある。
その時の様子はこちらで。
楠川歩道という江戸時代から使われている屋久杉を運び出す道を歩きます。
屋久島でいう歩道とは登山道の事のようです。
島津藩は藩政時代、屋久杉を加工した屋根を葺く小板(平木)を年貢として納めさせた。
島民は何日間もかけて屋久杉を伐採し、平木に加工したものを、この楠川歩道を通り、村まで搬出した。
多くの島民が行き交った石積み歩道で、300~400年の時を経た現在でも当時の状態が残る貴重な道という事です。
上の写真は屋久杉自然館で撮ったものですが、平木は、長さ50センチ、幅10センチ程の薄板。
樹脂分が多い屋久杉は腐りにくいので高級な屋根材として珍重された。
1728年頃、年貢としての交換率は、米1俵に対して平木は2310枚。
当時、米は貴重だったんですね。
今じゃ、交換率は逆になっているかも。
下を見て歩かないと、つまづき危険です。
この木はヒメシャラ。
根元にもびっしり苔。
風で倒れた木でしょうか?
これでは使えない木でしょうか。
まだかな・・・?もう、そろそろ・・・。
まだまだ続きました。
凄い根です。
現在も立っている屋久杉は、使えない木で伐られなかったんでしょう。
縄文杉も江戸時代には、ある事が知られていたが、木にコブが多過ぎて使い物にならないと、
伐られずに忘れ去られていたのを、昭和41年に発見された・・・とか。
この苔むす森までのコース、伐り株が多かった。
この沢が増水すると、コースそのものが閉鎖されるようです。
ベンチかな?
ここで昼食の弁当を開こうかな?と、思いましたが、人通りが多そうでやめました。
まだ続きます。
ガイドさんと歩いてるなぁ・・・と、思うグループをいくつか見かけました。
私達は、ガイド無しで歩きました。
道に迷う事はありませんが、ガイドさんと一緒なら、見どころが増え、屋久島、屋久杉に関して知識も増えた事でしょう。
私は、黙々と道を歩き、写真を撮り、時々回りを見渡し、緑がきれいだなぁ・・・と。
冬だからヘビは出ません。
ヘビが出る季節なら、私は行けないです。
ヘビと根っこ見分けがつきにくい。
シカの宿と名付けられた大きな伐り株。
やっと白谷小屋に着きました。
お弁当・・・?
寒いです。
それに、なんとなく臭そうで、ここでも食べなかった。
かなり年季が入った建物ですが、ここに泊まる事も出来ます。
トイレですが、糞尿は人力で下ろしているとの事で、ペーパー類はこの中へ投入。
トイレは入り口とこの白谷小屋にしかありません。
やっと苔むす森に到着。
ここから太鼓岩まで往復60分。
もう、ダメです。
ここから引き返します。
帰りは思いっきりステッキを使いました。
上りより下りの方が歩きづらいです。
それにかなり疲れているので、もう、足がふらふら。
ステッキがなかったら、もう30分程かかったのではないかと。
標準タイム2時間~2時間半のところ、私たちは3時間10分かかりました。
若い男女が多く歩いてました。
特に男性は下りでも飛ぶように下りて行きました。
羨ましい。
はぁ、歩けるか心配してましたが、どうにか予定通り白谷雲水峡を歩けました。
もう、膝はガクガクでしたが、宿は温泉。
何度か温泉に入り、足の疲れは温泉でとれたような気がしました。
登山後の温泉、最高ですね。
登山とは言えないですが・・・。
私の体調では、ここを歩くには最後のチャンスだったかもしれません。
もっと若いうちに行っておくべきでした。
迷っているご老人方、今のうちに行きましょう。
結局、車でお弁当を食べました。
前日頼んでおいたホテルの弁当¥600。
残念ながらマズイ。
おにぎり、固くて、お箸が立たない。
もう少しゆるく握ってくれないと。