水の季節が近づいてきたが、今年も応急手当の講習会に出席してきた。
毎年、プール管理指導員として、応急手当の基礎知識の習得講習を受けているが、今日は、最近のAEDの普及に伴い、消防署の『救命処置講習会』で その実践練習と基礎知識を学ぶ機会を得て 受講してきた。
水の季節のみならず、いつ、どこで突然の怪我や病気に見舞われるか分からない。特に、突発的に心臓や呼吸が停止した場合は、緊急を要しその場に居合わせた人の適切な対応・処置で多くの命が救われているそうである。
一般的には、119番通報して待つことが多いが、心肺停止の治療は、一分一秒を争い、その時間の経過により、助かる可能性は急激に下がり 救急車の到着までの5,6分が勝負となるそうである。
心臓・呼吸停止状態の人を救うための『救命処置』として、心肺蘇生法を行いAEDを使う事になるが、これが簡単なようで、イザその場になると なかなか実践するのは容易ではないだろう。
その場面に遭遇したときには、「見て・聞いて・感じて」、救命処置が必要であれば、「慌てず・騒がず・落ち着いて」 間違いなく 出来るだろうか心もとない。
これまでの訓練では、反応確認⇒人工呼吸⇒胸骨圧迫などは、ある程度自信もあるが、AEDの使用については、その機会も少なかったので、試用してみたかった。
AED(自動体外式除細動器)の使い方は、非常に簡単で 音声の指示通り慌てずに取り扱えば良い。医学的知識も不要である。すべて器械のコンピューターが即時に判断してくれるようだ。
『除細動』とは、心停止となった「心臓が細かく震える心室細動」を電気ショックで、本来の心臓の動きに戻すことだそうである。
この基本を知った上で、確実に操作を続ける事が 求められるのだ。この知識は、今日の一番の収穫であった。
この応急処置により、救急隊へのリレーが大切である。
東京マラソンや横浜マラソンでも、一般ランナーに混じって、等間隔で走る救命士ランナーを見かけるが、実際レース途中で東京でも横浜でも、AEDにより救われている。
こういう場面が無い事が一番であるが、今回の岩手・宮城地震やアキバの例を見るまでも無く、いつ身近で起きるか分からない。
このような機会が増えて、一人でも多くの人が応急手当をこなせる様になりたいと願いたい。
昨日の報道によると、119番通報により救急車要請をするケースに、病院までのタクシー代わりに使用している例があるそうで、驚いた。救急出動件数の約半分が、軽症者の搬送であると言うではないか?
その理由が、病院での待ち時間を早めたいとか、タクシー代を払いたくないとかで、聞いて呆れるばかり。全く許せない。
こんなのは、救命士の判断で拒否すべきだと思う。その上に 不適切利用者の名前を公表して、警告してもよいのでは。
先のアキバのケースでは、野次馬が必死の救命活動中に、携帯で写真を撮っている奴もいたそうだ。
この例だけではないが、あまりにモラルに欠ける事例が多く、憤懣やるかたない。