プロ野球で言う「クローザー」とは、いったい何を持って言うのか。
カーッと頭に血を上らせながら広辞苑を開いてみた。『野球で、試合の締めくくりに登板する投手』と書いてある。「試合の流れを壊さずに、味方を勝利に導く」とまでは書いてない。
「マウンドに上がると同時にヒットを打たれたり、フォアボールで自滅して、一人のアウトも取れず、ノーアウト満塁のピンチを作り、4人目のバッターにサヨナラヒットを打たれたり、満塁ホームランを打たれて負け投手になる人」などとは、何処を探しても書かれていない。
ところが、おらがカープのクローザーは、文字通り、出てくるといきなりピンチを作り、一死も取れないままサヨナラ負けをする。たったの11試合消化した中で4試合に登板した。そのうちの2試合で、そんな無様を見せられる。それも、開幕戦横浜との第3戦目をコピーしたように、全く手も足も出ないやられ方を再現してくれる。
今年から監督に座ったのは、カープ球団史上でも珍しい、歴代二人目となる投手出身の監督、佐々岡さん。
投手出身だけに投手力の把握は得意なのだろうと期待した。その期待が外れたとは今の段階では言わないが、問題はこれからどう立て直すのか、どのように投手スタッフを編成するのか。注目したい。
力のある人、それなりの人を、なんとかやり繰りして立て直さないと、昨年4位のリベンジなど及びも付かない話になる。
確かに抑え投手、クローザーや中継ぎ、セットアッパーなど、先発投手以外の役割は大変なプレッシャーと闘うことになる。毎試合、いつ登板指名が来るか分からない状態の中で、肩を作り緊急登板に備えなきゃならない。その点、先発は1試合投げたら5日も6日も休める。だったら皆が先発投手になれるか、そうは行かない。実力の微妙な差によって色分けされる。役割はそれぞれ異なる。
クローザーがコテンパンにやられた敗戦は、惨めで腹立たしくて寝付きが悪い。口惜しさが夜中の夢枕に立つこともある。そんなときふと、我が人生を思うことがある。自分は、先発・中継ぎ・セットアッパー・クローザー・芽が出ないままのブルペン投手投手。さてどっちだったろうかと。
あれこれ考えた挙げ句、結局は大きな声では何も言わず、自分史でも作ったときに密かに正直に思いを書き込むのだろうか。それぞれの役割に栄光も挫折も付いて回るということも心得ているつもりではある。
自分のことはさておいて、カープさんには、一日も早い投手起用の人選とパターンを確立してもらって、これから始まる本格的ペナントレースで輝いて欲しいものである。
たとえ負けてもやっぱり、ガンバレカープ!勝て勝てカープ!大事な我らのカープ!!なのである。