岩国レンコンの生い茂る葉っぱ
例年になく長い梅雨と、その間に降った大量の雨は、畑や田んぼを大いに賑わせている。
中でも、この季節多くの水を欲しがる、岩国の名産「いわくにレンコン」の地中の根っこを太く長く成長させるために、葉っぱが生い茂っている。これから夏場に向かって、大きく開いた葉っぱで、太陽の恵みを受け止め、地中に栄養を送り込むのである。
日本で4番目とも5番目とも言われる生産量を誇るいわくにレンコン。
葉っぱのあいだに真っ白やピンクの花を無数に咲かせ、ハスの実を付ける。それが枯れたら生け花の花材として生かされる。そんな見応えある季節の風物詩を提供してくれるのは間もなくである。
ピッカピカの1年生が大きなランドセルを背負う頃、この蓮の葉っぱも、お行儀よく「前へならえ!」して整列していたのに。今では我先に上に伸ばし、葉の大きさを競うように実っている。
問題はここからである。「目論見」という言葉がある。「もくろむこと」つまり、計画・設計・心算のことを言うが、目論見書となると、株式・社債・受益証券を募集または売り出す場合に提供されるその発行者の事業に関する説明書というものである。飽くまでも予見・胸算用であり、結果ではない。
ここからのの雨の量、陽射しの強さ、台風という大風の有り無し、それらの一つ一つが収穫高を大きく左右する要因となる。これまでの施肥や労力が報われるか否か、それはお天道様のみが知っている。思い通りに生育したら万々歳。お歳暮として日本全国に発送される。ここはひとつ、生産者の目論見通り、地下に眠る資源が現金化されることを祈りたい。それが地域経済の発展に少しは貢献するのだから。素人が株に手を出すような目論見外れは、ない方がいいに決まっている。
そんなあれこれを思いながら、里帰りした孫ちゃんとお手々つないで散歩するコースの蓮田である。
我が家は農家ではなく、ただ見て歩くだけの、レンコン畑ではなく、飽くまでもハスの田んぼである。