映画の冒頭 「エリーゼのために」の曲が流れる
フランスの田舎の農地らしき風景が映る
畑仕事をしていた男は 軍の車に気付き 娘達に家へ入るように言う
現れたのは
彼はユダヤ・ハンターの別名を持つ ナチスの迫害を恐れて逃亡したり匿われているユダヤ人を多く捕まえてきたからだ
大佐自身は自分は頭の良い優れた「探偵」だと思いたがっている
執拗な大佐の追及と脅迫によりユダヤ人一家を床下に匿っていた男は 隠れ場所を教えてしまう
一家の中でショシャナ・ドレフュス:( メラニー・ロラン)だけが走って逃げ生き延びます
数年後 ショシャナは名前を換え映画館の持ち主として暮らしております
一方 ドイツ軍から恐れられるアルド・レイン中尉:( ブラッド・ピット)率いるイングロリアス・バスターズと呼ばれる秘密部隊がありました
彼らはアメリカ人だけでなく 迫害から生き延びたユダヤ人やドイツ人でありながら虐待を受けた為に ドイツの親衛隊将校殺しを続けていた人間もいた
レインは先祖のアパッチに習い ドイツ人の頭の皮をはぐ蛮行をやってのけていた
そんな彼らが英国の情報部に協力しある作戦を遂行することとなるが 協力するドイツ人女優ブリジット・フォン・ハマーシュマルク(: ダイアン・クルーガー)が指定した場所には 予定外にドイツ兵ばかりかナチスの将校まで現れ アクセントと仕草からドイツ人でないことを見破られ 銃撃戦となりブリジット以外は死ぬ ブリジットも足を負傷するのだ
急遽作戦を変更しつつ映画館へ姿を現す彼ら
だがユダヤ・ハンターのランダ大佐は銃撃戦のあった地下酒場でブリジットのサインと靴を発見しており 待ち構えていた
一方 自分の映画館へナチスの重要人物(ヒトラーまで)が集まることとなりショシャナは絶好の復讐の機会と黒人の映写技師の恋人と共に準備をしていた
フィルムは燃えやすい
映画館へ集まった憎い彼らを鍵を閉めた映画館の中へ閉じ込め 焼き殺そうというのだ
そしてレイン達は足に爆薬巻きつけて やはりドイツの重要人物達の抹殺を企んでいた
だがランダ大佐はまずブリジットを尋問し絞殺する
レイン達も映画館の上映会場に入った二人の部下以外は逮捕され映画館から離れた場所で ランダ大佐から尋問を受ける
ランダ大佐はドイツ敗戦に気付き 自分を高く売ることで敗戦後の安楽な生活を得る取引を申し出る
実際 鼻持ちならない演技です
映画館ではショシャナに恋するドイツの人気俳優が映写室に押しかけ 計画の狂うことを恐れたショシャナは態度を豹変させた彼を撃つが 自身も男に撃たれてしまう
しかしヒトラーの姿を見たレインの部下二人は武器を取り出し ドイツ人達の射殺を始める
ショシャナの罠は動き出し スクリーンの中のショシャナの言葉に応じて ショシャナの恋人の黒人が集めたフィルムに火をつけスクリーンは燃え上がる
ショシャナの「あなた達を殺すのはわたしよ」のセリフと共に
慌てふためき逃げようとする人々
だがレインの部下達の銃弾が上から容赦なく降り注ぎ やがて持ち込んだ爆弾にも引火し・・・・美しい映画館は炎上・・・・爆発
アメリカの領域で捕虜交替するランダ大佐とレイン
レインはランダ大佐の額にナチスの印をナイフで刻む
陰険で強欲なランダ大佐のこれまでの行状を思えば・・・・・息の根止めてもかまわないーと思うのだけれど
ショシャナ演じるメラニー・ロランが可愛くて美しいです
雰囲気のある女優さん
家族をナチに殺され 復讐は果たしながらも自身も命を落とすのは なんて惨い一生かと
次から次に人が死ぬ映画でもあります
タランティーノ監督作品
はじけたブラッド・ピット 似合います
映画の情報サイト↓
http://eiga.com/movie/53973/
こちらは観た方の感想も↓
http://pia-eigaseikatsu.jp/title/24873/
残酷なシーンもあり ちょい目をそむけたくもなりますが 戦争とは残酷で血なまぐさいもの
日本でも馴染み深いジュリー・ドレフュスさんが出演しております
感想サイトにショシャナを演じた女優のメラニー・ロランが「テス」「キャット・ピープル」などのナスターシャ・キンスキーを彷彿とさせるとあった
ナスターシャ・キンスキーはあの美しい女優が クラウス・キンスキーの娘?!と「テス」で注目を浴びたのだが 当時イングリッド・バーグマンの再来・・・と言われていた
映画館の主人として最後に赤いドレスで盛装しクラシックな雰囲気に髪を結い上げたショシャナの姿は 私にはイングリッド・バーグマンを小づくりにしたふうにも見えた
イングリッド・バーグマンはヘミングウェイ原作の「誰が為に鐘は鳴る」のヒロインを演じている
本作はタランティーノ監督の戦争映画へのオマージュがちりばめられているのだとか
となれば金髪の色・・・・頬の線・・・・大きな瞳の女優に悲劇のヒロインを演じさせることには何がしかの思いいれがあったのではないかとも感じる
この映画を観ていて思ったが ユダヤ人をヒトラーが迫害し虐殺したことは この先ずうっとドイツ人が背負っていかなければならない負の遺産なのかもしれない
第二次世界大戦でのことを「責められ続ける」日本と同じに
ヒトラーの思想 野望とは逆に 映画などでは皮肉な笑いの対象として描かれ続けることは ヒトラーには不本意なことだろう
一番の「懲罰」かもしれないとも