坂本竜馬を主人公とした短編を集めたアンソロジー
童門冬二作「戦いの美学」
同じ場所にいてしまった二人の男 坂本竜馬と中岡慎太郎
慎太郎の竜馬に抱く屈折した思いはー
田岡典夫作「お仁王さまとシバテン」
竜馬の姉の乙女は体が大きかったのだそうだ
女ながらに豪胆なー 妖怪にも勝ってしまう痛快
乙女は早く久しぶりに帰ってきた弟に会いたかったのだ
戸部新十郎作「桂小五郎と坂本竜馬」
剣を持っての二人を清々しく書いた一編
澤田ふじ子作「水面(みのも)の月」
坂本竜馬とおりょうの縁を寺田屋おかみの目から見たもの
津本陽作「うそつき小次郎と竜馬」
後年の陸奥宗光がまだ他の名前でいた頃 その欠点も含め 懐深く理解したのは坂本竜馬だけだった
神坂次郎「さんずん」
どうしても勝てない追い付けない男 坂本竜馬
檜垣は反感と照れ覚えつつ坂本竜馬を追う
新宮正春「坂本龍馬の眉間」
坂本竜馬を斬った男がいる
必殺の剣
かくして龍馬の死を扱った一編で この本は終わりとなる
編者・解説は細谷正充さん