ブログ雑記

感じることを、そのままに・・・

献体

2009-10-03 11:45:42 | Weblog
家内の水彩画仲間であった知人のお葬式に参列した。
七十才を過ぎてご夫婦が水彩画を習い始めて以来家族
ぐるみのおつき合いをさせてもらっていた。
年は随分離れているけれど本当に親しくしてもらった。
つい六ヶ月前までは絵を描くことが出来て秋の県展作品を
仕上げていた。
最後になった入院の前に私の家内が、県展への出品の世話を
頼まれて画材やさんに届けた矢先の死だった。
お顔を見、花を手向け、出棺のお見送りをする時に、自分の
出身大学の医学部へ献体されると知らされた。
家内と二人一瞬息を飲んで顔を見合わせた。
一度もそのような話は本人からも奥様からも聞いたことはなかった。
一徹な人だとは思っていたが、献体する、という本人の勇気、そして
それを認められた奥様の勇気、そしてご家族の勇気。
長い人生の中で沢山の人を見送って来たけれど、献体をされる人に
始めてお会いした。
それも親しくおつき合いさせて頂いた方だった。
普段はそのような素振りは露程も感じさせない好々爺だったのに・・・
病弱な奥様の決断にも驚かされた。
私などとても勇気がない。