ブログ雑記

感じることを、そのままに・・・

甲イカをもらう

2010-03-30 21:39:33 | Weblog
好天に誘われて我が家から自転車で15分ほどの港湾へ出かけた。
釣りをしないけれど釣り人の釣果には興味があって、時折釣り人に声をかけて、何が釣れるの、餌は何ですか、などと尋ねてみると詳しく丁寧に教えてくれる人が多い。
その日も3メートルもある堤防の階段を上がって釣りをしている人がいるか眺めてみると300メートルほど向こうに5、6人と海側の階段を下りたところに若い人が一人で竿を振って糸を遠投し、ゆっくりリールを巻いて、急に魚を引っ掛けるように腕を引いてを繰り返していた。
何を釣っているのか、尋ねてみると「甲イカです」と声が返ってきた。
「餌は何ですか」の問いに「疑似餌」の答えだった。
そんなやり取りの最中に、ぐいっと大きく竿を後ろへ引いて、リールを巻くと何か食いついていた。
ゆっくりと海面を切って引き上げるとコンクリート上にどさっと落ちて墨を吐いた。
「これは凄いね」と私、「いいえ、これから潮が満ちてくるともっと釣れますよ」とかえってきた。
「これどうぞ持ってかえって」「いいえ、最初のものは」と言ったけれどさっと袋へイカを入れてくれた。
素直にありがとうと言って貰った。しかしこの後釣れなかったら、と思ったりして、一寸悪いような気を残してかえった。
きっと沢山釣れたに違いない。
この港湾は長い年月をかけて市と建設反対派の闘争が繰り広げられた歴史があるところです。
港湾の東側には白砂の浜が500メートルほど続いている。
わが町の海岸線は50年で3カ所の砂浜をコンクリートの護岸に変えられてしまった。
それでも海底では密かに魚たちが棲んでいるらしい。