ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

全日本卓球選手権、最終日の熱戦をたん能

2022-01-30 21:01:35 | スポーツ
毎年1月に行われる卓球の全日本選手権大会。
毎年、この戦いを楽しみにしている。
昨日は、男女ダブルスの決勝があり、今日は、男女シングルスの準決勝・決勝が行われた。

大会に水を差す形になったのが、COVID-19感染症の感染拡大。
24日から行われたこの大会で、27日までに棄権者は155人に上ったという。
昨日行われた男女のダブルスでは、男女とも準決勝に進出したペアの1人が感染したために、1試合ずつ棄権となった。
また、今日は、女子シングルスで準決勝まで進んだ木原美悠が発熱・感染の疑いで棄権となった。
女子のジュニアを制覇した彼女が、世界ランク3位の伊藤美誠にどんな戦いを見せるか、楽しみだったのだが、戦わずして敗れるというのは、残念であった。

もう1つの準決勝は、早田ひな対加藤美優。
パワーで勝る早田に対し、加藤がプレー全体の変化で対抗。
短く回転のかかったループドライブとか、フォアミドルを攻めるとかの戦術を使って、攻撃力のある早田に十分な力を出させない戦い方をしたのは、さすがだった。
一時はゲームカウント1-3とリードを許した早田だったが、粘りが身上の加藤美優以上に粘りも見せ、4-3で逆転勝ちした。
逆転勝ちはさすがだったが、この試合で早田はかなり体力を消耗したようにも見えた。

決勝は、みんなが見たがっていた(?)伊藤美誠と早田ひなの、ダブルス優勝ペアの対決。
早田のパワーと伊藤の技の対決、という構図だなと思いながら、見た。
準決勝を戦わずに決勝からの戦いとなった伊藤は、出足からよく集中していた。
サービスからの攻撃が特にさえていて、序盤に得点を重ねた。
対する早田は、準決勝の加藤戦とはテンポが違う伊藤のボールになかなか合わせられない印象だった。
なんとか4ゲーム目を取りはしたが、最後まで速いテンポで攻めてくる伊藤の後手に回っていたような印象だった。

とはいえ、昨日のダブルスにしても、今日の試合にしても、今の日本では伊藤美誠と早田ひなの力が抜きんでていると思えた。
世界でも通用する今の力をさらに高め、団体でも個人でも栄冠をつかんでほしいと思う。


さて、男子の準決勝の顔ぶれは、松平健太対吉村真晴という、今やベテラン同士の対決。
世界選手権の混合ダブルスで優勝経験があり、リオ五輪では団体銀メダルメンバーだった吉村有利かと思った。
だが、「卓球のマツケン」は、今大会、ずいぶんしぶとかった。
豪快さでは吉村が勝つが、総合的な部分で、いつのまにか松平が得点を伸ばしているという、そんな感じ。
3-3の最終ゲーム、流れに乗ったのは、松平だった。
積極的に攻め、どんどん得点を重ねる松平に対し、吉村の返球が少しずつ慎重になっていき、一気に点差が開いた。
松平が、高校2年生のとき以来13年ぶりの決勝進出を果たした。

決勝は、松平と、準決勝でリオ五輪銀・東京五輪銅の団体メンバーだった丹羽孝希をストレートで破った、20歳の戸上隼輔の戦いとなった。
剛の戸上と、柔の松平の戦いは、面白かった。
フォアからはもちろん、バックからも強いボールを打ち出せる戸上は、とにかく速さとパワーで押す。
それに対し、ベテランの松平は、プレーに緩急をつける。
台上でのストップを多用したり、ボールの速さを少し緩めたりして、戸上のミスを誘った。
要所では、逆のコースを突く強打も効果的だった。

ただ、試合が進むにつれ、戸上のパワーと動きのよさが、松平を上回るようになった。
ゲームカウント2-2から、続く2ゲームを連取して、戸上が初優勝を果たした。

試合後のインタビューで、彼は、
水谷選手がいなくなってしまって、僕はそれをプラスに捉えて、1つ枠が空いたとそういう風に感じていて、パリは自分が引っ張りたいです。日本を背負う覚悟を持っていますので、自分が引っ張ってやろうという強い気持ちで頑張っていきます。
と、今後の抱負を述べていた。

10代の張本が伸び悩んでいる今、戸上の言葉は、非常に頼もしいと思う。
去年世界選手権を経験し、ダブルスでは3位に入ったとはいえ、世界と自分の力の差を感じたはずだ。
何が足りないかを自覚して練習してきたからこそ、今大会での躍進につながったのだろう。

大会最終日の熱戦をたん能した。
男女ともに、優勝者が若手だということは、きっと日本にとってよいことだ。
これからの若手の伸びと世界での活躍を大いに期待したいと思う。

コメント
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