行ってらっしゃい。
行くからには、活躍を期待しているよ。
移籍を祝福し、健闘を期待する。
それが、アルビレックスサポーター大勢の気持ちだと思う。
アルビレックス新潟、10番、本間至恩、ベルギーの強豪クラブ・ブルッヘへ完全移籍―。
至恩の移籍先とされるクラブ・ブルッヘは、ベルギーで17度のリーグ優勝を経験した強豪で、昨季はレギュラーシーズン2位、プレイオフ1位の好成績を残している。
今回の移籍金は、なんと120万ユーロ(日本円にして約1億6500万円)。
至恩と新潟の契約は、来年の1月まであった。
それをさしおいて、シーズン途中での移籍になった。
それによって、アルビレックス新潟にも移籍金がいくらか入ってくるはず。
また、昨季と違って、今季の新潟には至恩のポジションができる選手が増えた。
三戸、小見、シマブク、星…。
至恩ほどの脅威にはなれないかもしれないが、少なくとも昨季以上の怖さがある選手が育っている。
そんな様々な現在の状況から、移籍していくには今が一番いい時期だろう。
まあ、チームが昇格争いの真っただ中でいなくなるのは、多少痛いけれど…。
もともと至恩は、昨季の始まる前には、J1チームへの移籍の話があった。
しかし、新潟への恩を一番に感じ、チームに残り、新潟から海外への移籍を目指すことにしたということがあったりもした。
だから、それから1年半、よく新潟のためにがんばってくれたとも思う。
(もっとも、昨季はケガで終盤長期離脱したが。)
名前に「至」がつくせいか、至恩のことは「新潟の至宝」とよく形容される。
そうだよなあ。
中学生のころから下部組織チームで活動し、にいがたで育ってきた選手だもの。
高校生のときには、2種登録され、当時のルヴァン杯の試合で途中出場したのを見たことを思い出す。
やけに小さな選手が出てきたなと思ったら、ペナルティエリアの周辺でドリブルを仕掛け、相手のJ1神戸の選手を置き去りにしたのだった。
スタジアム内には、「おお~っ!」という驚きの声が上がったのをよく覚えている。
その驚きから1年後、チームの一員となった至恩は、2018年9月15日、J2第33節 ツエーゲン金沢戦で、Jリーグ初出場を果たしたばかりか、なんと初ゴールを記録した。
あの小さな体で、ドリブルもシュートもうまい。
至恩への期待感は一気に高まり、それ以降順調に成長を続けた。
2020年 7ゴール7アシスト
2021年 5ゴール6アシスト
今季 6ゴール6アシスト(前半戦終了時点)
2020年からは、背番号10を背負い、文字通りエースとしての働きを見せるようになった。
今、彼にボールが渡ったときのスタジアムの高揚感は、著しく高い。
今日は、記者会見が行われた。
彼は、現在の心境を、
「やっぱり楽しみ。自分でどれだけやれるか、ここからが勝負。」
と語っていた。
そして、前日の移籍に当たってのメッセージでは、
「小さな体でも世界で戦えることを示したい」
と決意を示していた。
ヨーロッパのサッカー界が驚く大活躍を期待している。
また、私は、今回の移籍で、楽しみが2つになったと思っている。
1つは、もちろん、ヨーロッパでの至恩の活躍だ。
ベルギー・ブルッヘには、AチームとBチームがあるという。
最初はBチームでの活動になるかもしれないが、至恩の力を発揮すれば、十分にAチームで活躍できるはずだ。
もう1つは、アルビレックス新潟のポスト至恩の活躍だ。
至恩の抜けた穴を、誰が埋めるのか、どんな個性が至恩の代わりを果たすのか。
イッペイシノヅカは手術後長期離脱中だし、三戸も先日肩を怪我した。
だが、小見、シマブク、星など、違う個性が出番を待っている。
行ってらっしゃい、至恩!
新潟の至宝の大活躍、祈っているよ!!