ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「鳥籠の小娘」(千早茜著;角川書店)を、宇野亞喜良の絵につられて読む

2023-02-03 20:58:56 | 読む

 

あっ、宇野亞喜良氏の絵だ!

 

図書館に行って、飾られていた本の一つの表紙に、宇野亞喜良氏が描いた装丁のものがあった。

なんだかとても懐かしい感じがした。

 

宇野氏の描いた絵と初めて会ったのは、まだ私が高校1,2年のころだった。

面白い本がないか、本屋の本をいろいろとあさるように探していたとき、ある本に引き付けられた。

その書名は、「さよならの城」というものだった。

主に若い女性向けの本だった。

その表紙の絵が、宇野亞喜良氏によるものだった。

ただ可愛いだけではない、特徴的な絵が気になった。

著者は、寺山修司だった。

 

裏表紙に書いてあった詩がとても気に入って買うことに決めた。

50年近くたった今でも、その詩はそらんじることができる。

 

さよならだけが 人生ならば

めぐりあう日は何だろう

やさしいやさしい夕焼けと

ふたりの愛は何だろう 

 

さよならだけが 人生ならば

人生なんか いりません

 

本の中では、この詩はもっと長かったように覚えている。

でも、裏表紙のものは、これしか書いてなかったのだったし、この長さのこの詩の部分がよかったのだった。

16,17歳の私には、本の中身よりも、表紙の宇野亞喜良の絵と、裏表紙の寺山修司の詩がイチバンだった。

 

…そんなことを思い出しながら、この「鳥籠の小娘」の本を手に取った。

作者(著者)の千早茜氏については、失礼ながら全然知らないでいた。

近くに、「大人の絵本」と書いてあった。

そうか、大人の絵本か。

じゃあ、読んでみようかな、という気になった。

 

絵本というだけあって、表紙だけでなく、中にも宇野亞喜良氏の絵がたくさん入っている。

それを楽しみたいという気にもなって、借りてきた。

 

さっそく読んだ。

40ページ余りの本であったが、千早氏の書いた物語も、宇野氏の絵も、楽しむことができた。

物語に、幻想的な絵がとてもよく合っていた。

内容について、ここでは細かく触れないことにするが、また別な千早氏の本を読んでみたいと思った。

 

この本は、2019年の発行だから、4年前でしかない。

宇野氏の今が88歳(まもなく89歳)だから、魅力的なこの本の絵は80代で描いたということか。

そう考えると、彼の創作意欲も絵の魅力もすごいものだよなあ…。

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