先制→追いつかれる→逆転される→追いつく→試合終了。
スリリングな展開だった。
GK小島、DF藤原、舞行龍、千葉、堀米、MF高、島田、三戸、伊藤、小見、FW谷口と、新加入の太田ではなく、小見を起用する大胆な松橋采配。
これって、完全にJ2で戦ったメンバーばっかり。
新戦力なしでJ1に挑む、自らの力を信じて戦うという決意の表れだ。
松橋力蔵、恐るべき覚悟!
ドキドキしながら見守った試合開始。
J2のときと同じように、ボールを保持しながら攻める試合展開。
ただし、新潟のパスのスピードや展開力は、間違いなく昨季を上回っていた。
最初のうちは、セレッソがその速さについて行けなかった。
開始から10分近くは、新潟の攻勢が続いた。
だが、セレッソも近年J1上位に位置するチームだけあって、そこからは守り方を変えたように見え、しっかり対応してきた。
それでも、22分、新潟は、伊藤がペナルティエリア内に進入し右にパスを送ると、谷口が右足を思い切りよく振り抜き、強烈なシュートがゴールネットを揺らした。
スロービデオで見ると、相手DFの股を、すごいスピードで通過していた。
谷口は、J3→J2→J1とはい上がってきた苦労人。
この試合が、J1初出場であった。
その試合でFWとして先発し、見事にJ1初ゴールも決めた。
すばらしい!
だが、セレッソにも意地がある。
左サイドからの高速クロスが逆サイドに流れ、右サイドからゴール前ファーサイドにボールが上がると、飛び込んだ選手がヘッドで決め、あまり時間を置かずに同点に追い付いた。
それでも、アルビは、無理に攻め込もうとはせず、じっくりとパスをつないでチャンスをうかがう展開が続いた。
前半は、谷口の再びのシュートや相手の強烈なシュートシーンもあったが、相手GKやGK小島のナイスセーブもあって、1-1でハーフタイムを迎えた。
後半になってから、セレッソの守備がさらに堅くなったように見えた。
新潟の方がボールを保持しているものの、中盤でボールを奪われる場面も多くなった。
そして、ゴール前にヒヤリとするボールも入ることもあった。
そうこうしているうちに、71分、アルビサポ以外がみんな待っていた(?)香川真司が交代出場した。
香川がセレッソに勝利を呼び込んだ、なんてことをネットやSNSに美談風に書かれるのはまっぴらごめんだった。
だが、75分、香川が起点となったスルーパスからクロスが生まれ、こぼれたボールに反応した選手にシュートを決められてしまった。
1-2。逆転されてしまった。
これがJ1上位のチームの底力か!?
残り時間は、15分しかない。
やっぱり負けるしかないのか?
そう思ったりもしたが、新潟も選手交代を生かす。
すでに谷口・小見に代えて、鈴木・松田を使っていたが、さらに、藤原・島田に代えて新井・秋山を起用して打開を図った。
するとその3分後、コーナーキックのチャンスをつかんだ新潟。
伊藤から放たれたキックは、ゴール前へ。
これを手ごわい相手との競り合いに勝った千葉が、見事に決めてみせた。
記念すべきJ1350試合出場の試合で、35番の千葉が、貴重な同点ゴールだ!。
いやあ、興奮した。
その後、堀米に代えてトーマス・デンを入れて守りを固めながら、勝ち越しをねらったが、そのまま試合終了。
新潟の6季ぶりのJ1開幕戦は、2-2のドローで、アウェイで貴重な勝ち点1をゲットするという結果になった。
いやはや、何とも緊迫した試合だった。
それでも、J2を席巻したアルビレックス新潟のサッカーが、J1でも十分に通用するところを見せてくれたと思えた。
何より、選手たちがビビっていない。
自分たちのサッカーを信じて、ゴールを奪うことに集中していた。
守りでは、GK小島が2度、3度ビッグセーブを見せて、チームを救ってくれた。
ボール支配率も59%と、今まで通りの数字を示してくれた
今日の試合を自信にして、J1の戦場で戦っていこう。
そして、今度は、勝利をつかもう。
そんなことも言ってもよい手応えを感じる開幕戦だった。
選手の皆さん、サポーターとして応援に行った皆さん、ありがとうございました!
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