結婚式ではよく「死がふたりを別つまで」と末永い二人の愛のきずなが祝福されます。新聞歌壇の作品から愛別離苦の切ない声をお聞きください。今気づいたのですが、掲載日が異なっていましたが同じ作者でした。
「妻逝きて鴛(おし)を数ふる癖がつき
偶数ならば心安らぐ」 野田市 安部 潤さん
おしどり夫婦が突然独りぼっちになるという身を切られる修羅場に私は身ぶるいがしました。ひとり池辺に座り定まらない視線の姿が浮かびます。しかし、同じような悲劇が他人には無かれとのやさしさが滲んで諦観による立ち直りが兆しておられます。愛別離苦には日数(ひかず)のクスリしか利きません。
「納骨に我がハンカチを敷きてやる
かの日のやうにいつか並ばん」 野田市 安部 潤さん
芝生やベンチに恋人のためにハンカチを敷いてあげる、あの日が戻ってきてほしいとの悲鳴であります。かの日のように君と並んで坐りたいという悲痛な声なのです。嗚呼
「妻逝きて鴛(おし)を数ふる癖がつき
偶数ならば心安らぐ」 野田市 安部 潤さん
おしどり夫婦が突然独りぼっちになるという身を切られる修羅場に私は身ぶるいがしました。ひとり池辺に座り定まらない視線の姿が浮かびます。しかし、同じような悲劇が他人には無かれとのやさしさが滲んで諦観による立ち直りが兆しておられます。愛別離苦には日数(ひかず)のクスリしか利きません。
「納骨に我がハンカチを敷きてやる
かの日のやうにいつか並ばん」 野田市 安部 潤さん
芝生やベンチに恋人のためにハンカチを敷いてあげる、あの日が戻ってきてほしいとの悲鳴であります。かの日のように君と並んで坐りたいという悲痛な声なのです。嗚呼