四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

夏を短歌で

2010-08-17 18:39:50 | 歌の花束
 猛烈な残暑にかなしい水の事故が伝えられます。働けど働けど株式市場は円高で最安値、元気なのは甲子園のみですね。
されど敗戦の日々のご苦労を思い残暑を乗り越えて参りましょう。「朝日歌壇」から感動させる歌、私好みの作品をご紹介してみました。

*「小さくて死ぬのはいやだ」と云いし子の
    生きたあかしのガンダム残る  松坂市 大内美代子                          (逆縁の悲しみの極みに言葉もありません)

*母のない夏にも慣れて夫のない
      夏に慣れつつ朝顔を見る  町田市 谷 和子
    (のこされた悲しみと諦観をさらりと詠われました)

*夜のない街から島に移り住み
       藍の極みは星空と知る  沖縄県 和田静子
      (大胆な移住が贅沢な喜びをもたらしました)

*日の経てば傷つきしこと懐かしく
     傷つけしこと苦くのこれり  鳥取県 中村麗子
       (私も知らずに傷つけた罪をお詫びしたい)

*豊子さんお世話になってと夫いいぬ
     語尾は九月の空に消えたり  小山市 内山豊子
       (死が二人を別つまでの相思相愛に敬服)
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