参議院選挙もありあっという間に酷暑の八月となりました。私が参加している句会で点の集まった作品をどうぞご覧ください。
*地下足袋のこはぜの湿り梅雨に入る
*病床に祭太鼓の調子とる
*桐下駄の脛の白さや夏は来ぬ
*白もまた華やぎの彩半夏生
*街炎暑指紋の残る終電車
*花氷はりつく子らの指の穴
*蚊遣り立て母に濃い目の死に化粧
*差しこみの緩んでをりぬ今日は夏至
*まくわ瓜過去をばっさり捨てましょか
*ぼろぼろの広辞苑と母夕焼ける
*草いきれうつし身の仮面壊れそう
*葛桜食(と)うべどこから霞もうか
*田植機やずんずん太陽赤くなる
*降り立てば里の訛や青田風
*白玉をつつく幼なの指の先
*ふるさとの庭の匂ひや半夏生
*一本の狭庭の今朝の胡瓜かな
*百年を耐へ青蔦のレンガ塔
*雲の間をあてなき飛行あめんぼう
*木漏れ日をスポットライトに毛虫ゆく
*眼鏡邪魔ああ顔がじやま汗しとど
*白南風や廃線の錆深みたる
*橋涼みこだはりひとつ流しけり
*荷に添へて一筆涼を足し給ふ
*二列目の子の音読の涼しさよ