『親に対する子どもたちの注文の第一が、「夫婦げんかをしないでほしい」、そして「離婚の話は絶対にしないで」だったという調査結果があります。よく、夫婦で言い争って、「ねえ、お母さんが怒るの分かるでしょ。本当にお父さんは自分勝手なんだから」などと、子どもを自分の味方に引き込もうとする人がいますが、子どもは両親のどっちがいいか悪いかなど、どちらでもかまわないのです。
この世には、初めから善い人、悪い人がいるわけではありません。善い縁に触れれば善い人になり、悪い縁に触れれば悪い人になってしまいます。相手次第で人がどんなに変わるものか、それをいちばんよく見せてくれるのが、長年連れ添う夫婦ではないでしょうか。子どもたちは、両親のどちらの言い分も、また、どちらのわがままもちゃんと見ているのです。
法華経の修行を突き詰めていくと、「まず自分を変えて相手に変わってもらう修行」だといってもいいと思うのです。人が本当に変わるのは、本人が変わろうと本気になったときです。その本気を引きだすのが、まずこっちが変わって相手の善き縁になることなのです。』
庭野日敬師の言葉