『春四月は、新しい出会いが多い時です。とりわけ若い人たちは、職場での新しい上司や同僚との人間関係が心配で、「人に好かれる方法はないものか」と苦心している人もいると思うのですが、いちばん確実な方法は、こっちが相手を本当に好きになってしまうことです。
よく「私はどうして異性にもてないんだろう」と悩んでいる人がいますが、そういう人は、自分のいいところだけを見せようと格好ばかり気にしているのですね。すましこんだり、高尚な話をしたりして、肝心な相手を少しも見ていないのです。それよりも相手を好きになってしまうほうが早道です。人は自分に好意を持ってくれる人を自然に好きになるものなのですから。
法華経には、三十三身を現じてどんな人も救わずにおかない観世音菩薩が登場しますが、その名の「観世音」とは、相手の心、相手の願いを見通すという意味です。
「私は口下手でお上手を言えないから」とあきらめている人がいますが、「愛語」とは、多く話すより聞くことを多くすることといってもいいでしょう。だれの、どんな話にも親身になって耳を傾けられるようになったら、だれからも好かれる人になります。』
庭野日敬著『開祖随感』より
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