四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

現代の秀歌(その2)

2012-10-10 05:31:02 | 歌の花束

○こんなにも可愛い顔で笑うんだ病室のぞけば父が手を振る   内波 志保

   娘を見てベッドのお父さんはどんなにか嬉しかったことでしょうか。

 

○ガラバゴス諸島の鰐となり果てて老人ホームの風呂に動かず   蛭本 博彦

   ワニのように動けない老は誰にでも来る。生老病死は避けられない。

 

○犀「ハナ」と同い年の九十歳汝に夫あり優しい角もつ   棚橋 久子

   優しい角もっていた夫を偲んでおられる。切なくもカラッと詠いました。

 

○疲れたとスーツが言っているような面接試験二十三回   平井 節子

   この就職氷河期にあきらめず、ノーベル賞の山中先生のように幾度も挑戦を。

 

○神流川(かんなかわ)に浮かぶ灯籠水底の小石をひかりの撫でつつゆけり   小林 淳子

   ご両親でしょうか、最後の「ゆけり」がさびしいですね。

 

横浜はジャズの町、伊勢佐木町の薄紅葉、木の実の下でバンドが演奏していました。すてきな時間をありがとう。


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