厳しい寒さを避けて、サクラの花の咲く高野山へ、お参りをした。
我が家の主婦として頑張ってくれたお嫁さんの、納骨の日だった。
お天気にも恵まれて、兄弟やその家族たちとお大師様の待ってくださる奥の院まで送った。
標高約1000mの山への道すがらのつづれ道には、満開を迎えない山桜が、若葉の中に春まだ浅い感じだった。
奥の院前の枝垂桜は、まだ開花すらしていない木が見られた。
乗せてくれた孫が、車外の気温表示が、12度であることを教えてくれたが、やはり温度差が6度くらいある山の寒さが、車から出ると「寒い」と思わず声に出る。
ソメイヨシノは満開近かったが、枝垂れ桜はこれからの様子がここでも見られた。
満中陰直後だったら、今年は積雪が多くカーブの多い山道で、安全に行けなかったら大変だと、みんなの一番都合がよく揃った今日が、きっと亡くなったお嫁さんも望んでいたかのような桜の開花始めというときになったような気がする。
命を紡いだ日があまりにも短かすぎたけれど、残されたものにとって、きっと彼の地でしっかり見守り応援してくれているだろうと、古木の杉の下を歩みながら多々思うことがあった。
神峯寺~大日寺