カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

恋しの里 紫陽花園 続

2016年06月16日 | 季節の花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

「中将姫」と植樹された方の名前と共に、この紫陽花の名の書いた立札がありました。

 

  

道路の向こうのこんもりとした森が「中将の森」で小さい祠があります。

 

 

 

  

最近テレビで活躍してその名前が出る横浜ベイスターズの筒香嘉智さんは、この恋野の出身なので、紫陽花を記念植樹して 

選手の写真入りの立派な記念碑が立てられています。

郷土の人たちは応援しているのでしょうね。

 

 

 

 

万葉集に紫陽花が詠われているのは、2首だけです。

言問はぬ木すらあぢさゐ諸弟(もろと)らが練りのむらとにあざむかれけり(家持)
あぢさゐの八重咲くごとく弥(や)つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ(諸兄)

茜さす昼はこちたしあぢさゐの花のよひらに逢ひ見てしがな(作者不明)

夏もなほ心はつきぬあぢさゐのよひらの露に月もすみけり

あぢさゐの下葉にすだく蛍をば四ひらの数の添ふかとぞ見る 定家

万葉集ではないのですが、上の詠で詠まれている「よひら」言葉は花弁が4片あるガクアジサイが、当時の紫陽花だったのだと思います。

今は華やかな西洋紫陽花が、どこの紫陽花園でも多く植栽されていますが、ガクアジサイは日本紫陽花のルーツと思いながら、花と向かうとき古へのロマンが偲ばれます。

 

曇り日に咲く紫陽花の花の下青年の蛇は埋められゐむ           前 登志夫

紫陽花の花を見てゐる雨の日は肉親のこゑやさしすぎてきこゆ       前川佐美雄

昭和の奈良県の歌人の詠です。

お二人の先生には何らかの形でお世話になりましたので、紫陽花の歌探しをしている時、見つけて嬉しくなり上げさせていただきました。 

コメント (4)
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