やっと秋の空の下へ出掛けられるようになりました。
ズッキン・ズッキン奥歯2本の抜歯の後の痛かったこと。
四日ほどは鎮痛剤を飲んでも、一睡もできなくて、苦しい日を過ごしました。
いいお天気の日は、どんどん過ぎて行くのに、私はフラフラで外に出ることもできなかったのです。
や~っと激痛が収まり、その余韻のような鈍痛を感じるようになりました。
部屋から見る田んぼの彼岸花は、今年は長く咲いています。
きっと葛城山麓の九品寺の彼岸花もまだ残っていることを期待して、午前中は快晴、午後は急な雨があるかもと言う
天気予報に背中を押されるようにして、山麓線を久しぶりに車で走りました。
青空に飛行機雲の残像が見えて、その下の彼岸花は、命の最後を精一杯に見せてくれました。
燃えるような彼岸花の向こうに、畝傍山と耳成山を望むことができます。
畝傍山を更に引いてみました。
こんなにはっきりと大和三山の二つの山が、見えるのは、空気が澄んでいるからでしょう。
更にその奥には、奥吉野の山々も、かすかに姿を見せてくれています。
振り向けば葛城山の彼方から、モクモクした雲が湧いてきていました。
番水の時計が、ヒガンバナ越しに、稲田を見下ろしています。
抜歯の後の痛さを、我慢したご褒美のような、彼岸花の花畳の中を歩きながら、
健康の有難さをつくづく感じながら、いつまでも立尽くしていました。