迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

不成就の成就。

2021-08-08 21:24:00 | 浮世見聞記
日本國がしょせん敗戰國であり、米國の五十一番目の“州”であり、無理押しゴリ押しが簡單に通り、そしてお祭り好きの感動好きをみごとに見透かされ愚弄された屈辱の茶番劇が、人災疫病の感染擴大といふ現實から乖離したところで、第一幕の強行を今宵に完徹云々。強行中は日々の感染者數と天氣予報以外は情報を遮断してゐたが、それでも物見櫓に立ってゐると、運動競技屋がしょせん運動バカでしかない奇怪な噂も、 . . . 本文を読む
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“二代目”の端座。

2021-08-08 09:31:00 | 浮世見聞記
臺風十號の関東沖合通過による雨音を窓の向こうに、朝のラジオ放送で二世梅若萬三郎の謠に耳を澄ます。曲は太鼓方金春流の故柿本豊次と組んだ独鼓「邯鄲」。唐國の悩める青年邯鄲が、榮耀榮華の夢枕からからいっぺんに覺める件りで、私も過去に舞囃子の地謠をつとめたことがある。調子がしっかりと入ってゐれば、謠ってゐて氣持ちの良い箇所だ。梅若萬三郎──初世は明治元年に生まれ、父や弟と共に衰退してゐた明治期の能樂を隆盛 . . . 本文を読む
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