迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

萬年禁錮。

2021-12-14 20:54:00 | 浮世見聞記


近頃の新築住宅は、玄関も窓も狭小なシロモノばかりなのが、どうも私には氣になる。


勝手口のやうな玄関、

申し訳程度の、空気穴のやうな窓──


四方がほぼ壁で、まるで物置きか倉庫、或ひは要塞のやうだ。

ヒトが住んでゐると云ふより、ヒトが収納されてゐる、と云ったはうがよいやうな。


玄関扉を小さくし、窓も小さくして數を減らしてゐるのは、氣密性を高めるため、またドロボウの侵入を防ぐため、と聞く。


ドロボウの侵入路を断つと云ふことは、逆に屋内で何か事故が發生した時、住人の逃げ道も断たれると云ふことになる。

また、気密性の高い家屋は外氣中を浮遊する“外敵”に對して体の免疫力を低下させ、重度のアレルギー体質を生む温床となってゐることは、すでに研究者によって指摘されてゐるところだ。


これは私の素人考へだが、人災疫病の家庭内感染は、かうした気密性の高い──言ひ換へれば“換氣性の惡い”現代家屋のつくりも、一因として挙げられらるのではないだらうか。





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