迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

阻む天候を笑ふ。

2018-07-06 18:22:48 | 浮世見聞記
凄まじい雨音で夜が明けた今日、窓を開けて空を見上ぐれば、低い雲が早足に流れるを見て、これはそのうち小降りになって止むだらうと、読む。



そして読み通りに鉄道各線がコケたのは、



ほとんどが技術屋の技術不足ゆゑ。

今日は、荒天のせいならず。



駅前の狭い道には、人とクルマが詰まってゐる。

サッと通り抜けられる知恵の無い者は、通行厳禁なり。



その狭い道の真ん中を、優雅に歩く男ありける。

かの男、背後に迫るゴミ収集車にクラクションを何度も鳴らされ、やうやく脇によける。

そして、いかにも気の荒さうなゴミ収集車の運チャンから、派手な罵声を浴びる。

クルマはどうせハネはしないだらうとナメてかかる愚者が増殖したる苦々しき當世において、またいたずらに後難を恐れて隠忍せし運転手の多い當世において、久々に溜飲の下がる眺めなり。



無益な工事より難を逃れた昔ながらの緑地で、蛙の聲を聞く。



その嬉しさうな聲に、雨はたちまち風情となる。


雨を憾みに思ふ生き物、

雨を恵みと喜ぶ生き物、

萬世は萬物のものなり。
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