迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

隣りよりこちらの芝生が青いのじゃ。

2020-01-02 17:09:00 | 浮世見聞記


お墓参りに行く。

祖父母と伯父たちに、新年の挨拶。


驛ビルでは福袋待ちの行列。

最上階の飲食店街も行列で停滞。


無用の雑踏にいつまでも身をおく必要はない。

さっさと帰宅したはうが利口のやうだ。



全車指定の特急列車は滑り込みで切符がとれる。




『お客様には、今年も幸せな一年でありますやうに』

そんな気の利いた放送をする車掌さんの聲が、耳に心地良い。

車窓からの暖かい日差しにウトウトしながら、心のどこかで早く通常の気持ちに戻らなくては、と囁く私がゐる。



帰宅してTVをつけると、寄席中継で神田松之丞が「扇の的」を好演してゐた。



なぜ通常の氣分を欲するのか、そのわけを知る。

自分も半月後には、那須与一を舞ふからだ──



なぜ人前に立ちたいのか──?

それは、自分が主役をやりたいから。


私はその本音を、みずからの作品をもって正直に表現する。


他人(ひと)の引き立て役になるつもりなど、私には無い。

私はその本音を、みずからの作品をもって、正直に表現する。


私はさうした場を、自力本願をもって創り出す。



今年もやりたいことが、たくさんある。


そのためにも、今はのんびりしているべきか。


さうだ、さうだ。


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