(インドネシアバリ島 ウブドの王宮)
今年2月に行われたインドネシア・大統領選挙では、高い人気を誇るジョコ大統領がキングメーカー的な役割を果たし、同氏が支持したかつての政敵プラボウォ国防相が当選しました(プラボウォ氏は10月に就任)
その際、副大統領候補としてジョコ氏の長男キブラン氏が立ちました。これは単に「縁故主義」というだけでなく、ルールを権力で捻じ曲げて無理やり自分の長男を副大統領に押し込んだ・・・そういう側面が濃厚です。
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自身は大統領選で支持する候補を明言していないが、ギブラン氏を副大統領とし、政界での影響力を保持したいもようだ。
ただ、ジョコ氏は「縁故主義」との批判に直面しており、選挙戦に影響する可能性がある。インドネシア憲法では正副大統領の立候補を40歳以上に限定しており、36歳のギブラン氏はそもそも出馬資格がなかった。
だが、憲法裁判所が立候補届け出直前に年齢制限を緩和。判断を示した憲法裁長官はジョコ氏の親族であり、他候補陣営は「身内を優遇」「司法操作」と攻撃材料としている。【2923年11月28日 産経】
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さらに次男も。
****首長選前に出馬年齢引き下げ=大統領次男絡みか―インドネシア最高裁****
インドネシア最高裁が地方自治体の首長選に立候補できる年齢を引き下げたことが30日、分かった。
これまで知事や副知事の立候補者の要件は30歳以上だったが、就任時に30歳になっていれば問題ないとする決定を出したという。地元メディアは、ジョコ大統領の次男(29)の出馬を可能にするための措置と指摘している。決定は29日付だが、公表されていない。【5月30日 時事】
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インドネシア大統領は従来エリートや軍部出身者が独占してきましたが、ジョコ氏は国民的人気を背景にした庶民派大統領として「民主主義の星」として期待もされました。
しかし、上記のような強引な縁故主義を見ると、エリートだろうが庶民派だろうが、権力欲には大差ないようです。
ジョコ大統領は交通マヒ。地盤沈下などの問題を抱えるジャカルタからの首都移転を、議会で十分に審議することなくやや強引に進めてきました。
プラボウォ次期大統領はジョコ大統領の方針を引き継ぐとしてはいますが、やや不透明感も出てきています。
***インドネシア首都移転、担当トップが辞任 計画に懐疑的な見方広がる****
インドネシアの首都をジャカルタからカリマンタン島(ボルネオ島)東部に移転して新首都「ヌサンタラ」を建設する計画で、担当する新首都庁のバンバン・スサントノ長官とドニー・ラハジョエ副長官が突然辞任した。
プラティクノ国家官房長官は3日、大統領が暫定的にバスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相と農務副大臣を後任に任命したと発表した。
政府は公務員移動の第1陣として9月に1万2000人を移動させる計画で、インフラ建設を急ピッチで進めている。
プラティクノ国家官房長官は3日、大統領が暫定的にバスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相と農務副大臣を後任に任命したと発表した。
政府は公務員移動の第1陣として9月に1万2000人を移動させる計画で、インフラ建設を急ピッチで進めている。
ただ、計画は既に2度延期された。ジョコ大統領が掲げる約32億ドルの看板プロジェクトだが、民間資金不足に直面しており、スサントノ長官らの辞任観測は以前からあった。これが現実化したことでプロジェクトの先行きに懐疑的な見方が強まった。
インドネシア戦略国際問題研究所のアナリスト、アリア・フェルナンデス氏は「問題は、投資家をどのように納得させるかだ」と話した。
公共事業・国民住宅相は3日に記者会見し、新首都計画地の土地所有権で障害があると述べた。ただ、早期解決の見通しを表明し「売却するにせよ、賃貸するにせよ、政府と企業が協力するにせよ、投資家が疑念を抱かないようにスピードアップして対処する」と話した。
インドネシア次期大統領のプラボウォ国防相は首都移転計画の継続を公約に掲げている。【6月4日 ロイター】
インドネシア戦略国際問題研究所のアナリスト、アリア・フェルナンデス氏は「問題は、投資家をどのように納得させるかだ」と話した。
公共事業・国民住宅相は3日に記者会見し、新首都計画地の土地所有権で障害があると述べた。ただ、早期解決の見通しを表明し「売却するにせよ、賃貸するにせよ、政府と企業が協力するにせよ、投資家が疑念を抱かないようにスピードアップして対処する」と話した。
インドネシア次期大統領のプラボウォ国防相は首都移転計画の継続を公約に掲げている。【6月4日 ロイター】
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インドネシアの話題を取り上げたのは、13日からインドネシア・バリ島に来ているため。いつもの観光です。
インドネシアも他の国同様にインフレが進んでおり、更に何と言っても円安・・・・ということで、コロナ以前のインドネシアのイメージと違って、食事にしても何にしても「高い!」というのが個人的実感。
日本経済の地盤沈下によって、格安にアジアを旅行できる時代は終わったことを改めて感じています。
インドネシアの景気はやや改善しつつあるとのことです。
****2月の失業率は4.82%、4年ぶりに5%を下回る*****
インドネシア中央統計庁(BPS)は5月6日、2024年2月時点の失業率が4.82%だったと発表した・。2023年8月時点から0.50ポイント改善、2023年2月時点から0.63ポイント改善した。5%を下回るのは2020年2月以来4年ぶりで、新型コロナウイルス禍以前の水準となった。(後略)【5月16日 JETRO】
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しかし、旅行中の日本語ガイド兼ドライバーをお願いしているS氏は本業はタクシー運転手ですが、「昨日は客が一人もいませんでした」と生活苦を訴えています。
単に、彼個人の問題かもしれませんが。
ということで、旅行中のためブログの方は1週間ほどは基本「休止」、時間に余裕があれば、あるいは気が向けば更新という形になります。