![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/5b/f02deec02a876932cec240f75fb2cbce.jpg)
(ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の終結に向けて、アメリカ・トランプ政権とヨーロッパ各国との立場の隔たりが浮き彫りになる中、ヨーロッパ各国の首脳がフランスに集まり緊急の協議を行うことになりました。【2月17日 NHK】 ちょうど今頃(日本時間 17日22時30分)会議が行われている時間でしょうか)
【トランプ政権 欧州から手を引いて対中国に専念する方針】
トランプ政権のウクライナ戦争停戦に向けた動きが加速しています。流れは基本的には米ロ主導で、ウクライナは基本線が定まった段階で参加、欧州は蚊帳の外・・・といったところ。
****ロシア・ウクライナ戦闘終結に向け トランプ政権「4月20日までに停戦目指す」方針****
ロシアとウクライナの戦闘終結に向けた交渉がサウジアラビアで始まる見通しの中、アメリカのトランプ政権が4月20日までに停戦を目指す方針であると報じられました。
ブルームバーグ通信は16日、トランプ政権がヨーロッパ諸国の政府関係者に対し、4月20日のイースター=復活祭までにウクライナでの停戦を目指す方針を説明したと報じました。
サウジアラビアで行われる戦闘終結に向けたアメリカとロシアの間の交渉は「18日に行われる」とロシアの新聞コメルサントが伝えていて、協議に参加するアメリカのウィットコフ中東担当特使は、「まずは信頼関係の構築をはかる」と話しています。
アメリカ トランプ大統領
「(Q.ゼレンスキー大統領も協議に関与していきますか)ええ。彼は関与していきます」
トランプ大統領は戦闘終結に向けた交渉に、ウクライナのゼレンスキー大統領も関与するとの考えを示しました。
自身とプーチン大統領のサウジアラビアでの首脳会談については、「日程は決まっていないが、すぐにでも行われるだろう」との見通しを示しています。(後略)【2月17日 TBS NEWS DIG】
ブルームバーグ通信は16日、トランプ政権がヨーロッパ諸国の政府関係者に対し、4月20日のイースター=復活祭までにウクライナでの停戦を目指す方針を説明したと報じました。
サウジアラビアで行われる戦闘終結に向けたアメリカとロシアの間の交渉は「18日に行われる」とロシアの新聞コメルサントが伝えていて、協議に参加するアメリカのウィットコフ中東担当特使は、「まずは信頼関係の構築をはかる」と話しています。
アメリカ トランプ大統領
「(Q.ゼレンスキー大統領も協議に関与していきますか)ええ。彼は関与していきます」
トランプ大統領は戦闘終結に向けた交渉に、ウクライナのゼレンスキー大統領も関与するとの考えを示しました。
自身とプーチン大統領のサウジアラビアでの首脳会談については、「日程は決まっていないが、すぐにでも行われるだろう」との見通しを示しています。(後略)【2月17日 TBS NEWS DIG】
*********************
2月18日にはサウジアラビアで高官による協議、近いうちにトランプ・プーチン会談、その後ぐらいにトランプ・ゼレンスキー会談をはさんで4月20日(復活祭 イースター)で停戦。 あくまでもすんなりと事が運べば・・・ですが。
ロシア・プーチン大統領は80周年の節目にあたる5月9日の対独戦勝記念日で国内的に実質勝利宣言・・・といった流れでしょうか。
この流れで目立つのはトランプ政権のウクライナも含めた欧州軽視・・・というか無視。
****和平交渉、欧州に「席なし」 トランプ政権特使が明言****
トランプ米政権のウクライナ・ロシア担当特使ケロッグ氏は15日、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と合意したロシアとウクライナの和平交渉開始を巡り、欧州は参加しないとの認識を示した。
交渉のテーブルに欧州の席はあるかと問われ「ない」と明言した。ロシアに有利な形で交渉が進むことへの欧州の懸念に拍車がかかりそうだ。(後略)【2月16日 共同】
******************
****米バンス副大統領 欧州は民主主義を損ねていると痛烈に批判「基本的価値観で後退」****
アメリカのバンス副大統領はSNSへの規制などを巡ってヨーロッパ各国が民主主義の価値を損ねていると痛烈に批判しました。
バンス副大統領
「ヨーロッパに関して、最も懸念しているのはロシアでも中国でもない。懸念すべきは内側にある脅威だ。ヨーロッパはアメリカと共有する最も基本的な価値観で後退している」
バンス副大統領は14日、ドイツで開催された安全保障の国際会議で演説し、ヨーロッパ各国で進むSNSへの規制などについて反対派を検閲した冷戦時代の共産主義体制を彷彿させると指摘し、民主主義の価値を損ねていると批判しました。
また、表現の自由について政治的に異なる意見を排除しなかったために「アメリカはトランプ氏を大統領に選出できた」と誇示しました。(後略)【2月15日 テレ朝news】
バンス副大統領
「ヨーロッパに関して、最も懸念しているのはロシアでも中国でもない。懸念すべきは内側にある脅威だ。ヨーロッパはアメリカと共有する最も基本的な価値観で後退している」
バンス副大統領は14日、ドイツで開催された安全保障の国際会議で演説し、ヨーロッパ各国で進むSNSへの規制などについて反対派を検閲した冷戦時代の共産主義体制を彷彿させると指摘し、民主主義の価値を損ねていると批判しました。
また、表現の自由について政治的に異なる意見を排除しなかったために「アメリカはトランプ氏を大統領に選出できた」と誇示しました。(後略)【2月15日 テレ朝news】
**********************
欧州から手を引いて対中国に専念するというトランプ政権の基本的方向を端的に語ったのが、13日にブリュッセルで開催されたNATO国防相会合でのヘグセス米国防長官。
****ヘグセス米国防長官、ウクライナNATO加盟「非現実的」 平和維持へ米軍を派遣しない****
北大西洋条約機構(NATO)は13日、ブリュッセルで国防相会合を開いた。今回が初参加のヘグセス米国防長官は、ロシアに侵略されたウクライナのNATO加盟を否定する一方、ウクライナ支援でNATOの負担増を要求。
米国の戦略的資源を対中国に全面投入したい思惑からウクライナ戦争の幕引きと欧州安保からの離脱を急ぐトランプ米政権の下で、NATOの結束は早くも揺さぶられた。
NATOのルッテ事務総長は13日、米露首脳がウクライナ戦争の終結交渉の早期開始で合意したことに関し「交渉は恒久的な和平を実現させるものでなければならない」とした上で、ウクライナがより「強い立場」で交渉に臨めるようNATOによる支援継続の重要性を強調した。
また、交渉の過程では「ウクライナの密接な関与が不可欠だ」と指摘した。
一方、ヘグセス氏は同日、「ロシアの戦争機構に立ち向かうのは欧州の責任だ」と述べ、欧州の加盟国に国防費の大幅な増額を求めた。
ヘグセス氏は12日、ウクライナで停戦が実現した場合は同国への安全の保証が必要だと認めつつ、同国のNATO加盟は「非現実的だ」と一蹴。ウクライナの平和維持活動をNATO任務とせず、欧州を中心とする有志国が軍を展開すべきだとし、米軍を派遣しないとも明言した。
ルッテ氏によると、NATO加盟国によるウクライナに対する2024年の軍事支援の総額が500億ユーロ(約7兆8千億円)を超えた。支援額の半分以上は「欧州の加盟国とカナダからの拠出だ」としている。
ルッテ氏は「ウクライナへの軍事支援を平等化すべきだとするトランプ米大統領の主張に同意する」と強調しつつ、欧州の加盟国がウクライナ支援を既に実質的に牽引(けんいん)していることを訴えた。
NATOは昨年7月の首脳会議で、24年に400億ユーロ規模の軍事支援を供与すると表明。ルッテ氏は支援の規模を維持したい考えだが、ヘグセス氏は「米国の最優先課題は中国をインド太平洋地域で抑止することだ」とし、米国が欧州の安全保障への関与を減らす立場を明確に打ち出した。【2月13日 産経】
********************
【停戦後のウクライナにおける停戦監視維持は欧州に】
こうした基本認識のトランプ大統領にすれば、内容がロシア寄りだろうが何だろうが、「現実的」な線でとにかく早期に(中間選挙に向けて米国内にアピールできる)「停戦達成」という実績さえ作れればそれでよし、あとは米軍は派兵しないので欧州が自分の責任で好きにすればいい、・・・といったところかも。
****トランプ氏は「停戦でどちらが得しようが二の次」…中林美恵子教授が指摘****
(中略)米国防長官が米軍の派兵を否定したことについて、倉井氏は「米軍が衛星の情報や戦闘機を提供するということがないと、持続性のある合意は期待しがたい」との見方を示した。
(早稲田大学教授)中林氏は「トランプ大統領は、プロセスや大義以上に『とにかく停戦ができればいい、どちらが得をしようが損をしようが二の次』という立場が強い」と指摘した。【2月17日 読売】
*******************
トランプ政権はウクライナのNATO加盟を「非現実的」と否定していますので(実際そうでしょう。ロシアは絶対認めませんし、欧州もロシアと火種がくすぶる状態でウクライナに加盟されても困るのが本音でしょう)、どうやって停戦を監視・維持し、ウクライナの安全を保証する枠組みを作っていくかが問題となります。
アメリカもさすがに「関係ない」とは言えませんが、あくまでも主体は欧州であるという立場から「アメリカに何をして欲しい?」と聞きつつ、「欧州はどこまでやる気ある? 何ができるの?」と問いかけ。
****「必要な米国の支援」意見募る=ウクライナ停戦、4月下旬目標か―米政府****
ロイター通信は16日、ロシアの侵攻を受けるウクライナの安全を保証する枠組みに関し、米政府が欧州各国に外交文書を送付し、枠組みに参加する上で必要だと考えている米国の支援内容などを尋ねたと報じた。文書の全文を入手したとしている。
これに関連し、米ブルームバーグ通信は関係者の話として、トランプ政権が欧州側に4月20日のキリスト教のイースター(復活祭)までにウクライナでの停戦を実現したいと伝えたと報じた。
ただ、複数の当局者はこの目標について、非現実的とみられると指摘。ある関係者は年末までの解決というシナリオがより可能性が高いと述べた。
文書は先週送られ、設問は6項目。「短期・長期的にどういった米国の資源が必要になると考えているか」と質問した。また、安全保証の枠組みに参加可能と思われる国を挙げるよう要請し、「和平合意」の一環としてウクライナに部隊を派遣する意思があるかどうかも尋ねた。
派遣される欧州主導部隊の規模や展開方法・場所・期間なども打診。ウクライナの交渉力を高めるため同国に供与する用意がある追加の能力・装備を列挙することも求めた。【2月17日 時事】
************************
ウクライナ・ゼレンスキー大統領は「欧州軍」創設を訴えています。
****ゼレンスキー大統領「ヨーロッパ軍」創設訴え****
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアの脅威やアメリカの方針転換への懸念から、「ヨーロッパ軍」を創設すべきだと訴えました。
「多くの指導者たちがヨーロッパには独自の軍隊、つまりヨーロッパ軍が必要だと語ってきた。そして、私は本当にその時が来たと信じている」(ゼレンスキー大統領)
ゼレンスキー大統領は15日、ドイツのミュンヘンで開催されている安全保障会議で演説し、「ヨーロッパ軍」の創設を訴えました。ロシアの脅威に加えて、トランプ政権がヨーロッパの防衛に積極的に関与しない懸念が強まったことを理由としています。
ただ「ヨーロッパ軍」の具体的なあり方や、NATO(=北大西洋条約機構)との関連性については言及していません。【2月17日 ABEMA Times】
**********************
「欧州軍」というきちんとしたものではなく、欧州有志国のウクライナへの派兵ということであれば、フランスのマクロン大統領が昨年2月に提案していますが、当時はマクロン大統領のスタンドプレーとも見られ、ショルツ独首相が派兵の可能性を即座に否定するということで、否定的な空気でした。
ただ、アメリカが欧州から手を引き、欧州のことは欧州に任せるという方針がはっきりしてきた今、改めて欧州各国のウクライナへの停戦維持部隊派遣が現実の問題となっています。
****マクロン仏大統領、ウクライナ問題で緊急欧州首脳会議を招集****
フランスのマクロン大統領は17日、英国の首相を含む欧州首脳を招き、ウクライナ紛争に関する緊急首脳会議を開催する。
仏大統領府によると、マクロン氏は16日に「協議」を呼びかけた。ウクライナに対する米国のアプローチの激変と、それに伴う欧州大陸の安全保障へのリスクについて話し合う。
首脳会議には他に、ドイツのショルツ首相、ポーランドのトゥスク首相、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長、イタリアのメローニ首相、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員会委員長、コスタ欧州理事会議長(大統領)が出席する。(後略)【2月17日 ロイター】
仏大統領府によると、マクロン氏は16日に「協議」を呼びかけた。ウクライナに対する米国のアプローチの激変と、それに伴う欧州大陸の安全保障へのリスクについて話し合う。
首脳会議には他に、ドイツのショルツ首相、ポーランドのトゥスク首相、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長、イタリアのメローニ首相、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員会委員長、コスタ欧州理事会議長(大統領)が出席する。(後略)【2月17日 ロイター】
***********************
イギリス・スタマー首相は平和維持軍の一員としてウクライナに英軍を派遣する用意があると前向き姿勢です。
****スターマー英首相、戦後ウクライナへの平和維持軍派遣に前向き****
スターマー英首相は16日、戦争終結後の平和維持軍の一員としてウクライナに英軍を派遣する用意があると述べた。
英軍兵士を「危険な目に遭わせる」ことを軽々しく検討するわけではないとしつつ、ロシアのプーチン大統領のさらなる侵略を抑止するためには、ウクライナの恒久的な平和を確保することが不可欠と述べた。(中略)
スターマー氏はデイリー・テレグラフ紙に、ロシアとウクライナの戦争が終結しても、プーチンが再び攻撃を仕掛けてくるまでの一時的な小休止に終わってはならないと寄稿した。
ウクライナへの平和維持軍派遣を検討していると明言するのは初めて。これまでは、和平合意で役割を果たすことに前向きと述べるにとどめていた。【2月17日 ロイター】
英軍兵士を「危険な目に遭わせる」ことを軽々しく検討するわけではないとしつつ、ロシアのプーチン大統領のさらなる侵略を抑止するためには、ウクライナの恒久的な平和を確保することが不可欠と述べた。(中略)
スターマー氏はデイリー・テレグラフ紙に、ロシアとウクライナの戦争が終結しても、プーチンが再び攻撃を仕掛けてくるまでの一時的な小休止に終わってはならないと寄稿した。
ウクライナへの平和維持軍派遣を検討していると明言するのは初めて。これまでは、和平合意で役割を果たすことに前向きと述べるにとどめていた。【2月17日 ロイター】
*************************
スウェーデンのマリア・マルメル・ステネルガード外相も2月17日、、ウクライナ戦争終結後に平和維持軍を派遣する可能性を排除しないと述べています。
ドイツは、財政的にも、兵員・装備の面でも、あるいは国民の意識の面でも、今以上の軍事面での負担増大は苦しい状況です。
****ドイツ国防「問題だらけ、解決策皆無」「ドローンは装備ない」 ウクライナ停戦実現すればNATOは...****
ドイツ連邦軍の現在の戦闘即応性は、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年当時よりも低下している――。複数の軍当局者や議員、防衛専門家らがロイターに語った。
23日の総選挙後に誕生する次期政権が防衛支出を拡大したとしても、特に防空や砲兵部隊、兵員の不足はその後何年も足かせになりそうだという。
ドイツ連邦軍協会トップのアンドレ・ベストナー大佐はロイターのインタビューで「ロシアのウクライナ侵攻前、わが軍には即応性が約65%だった8個旅団があった」と説明した。
しかしベストナー氏は、その後ウクライナへの武器弾薬・装備供与やドイツ連邦軍自体の演習急増により、利用できる装備が逼迫(ひっぱく)したため「地上部隊の即応性は50%前後に下がってしまった」と嘆いた。
ショルツ首相はロシアのウクライナ侵攻後、弱体化したドイツの軍備を刷新すると宣言したが、それから3年を経ても事態は改善していない。それどころか今年と2027年までに約4万人の部隊を北大西洋条約機構(NATO)に提供するという約束は、非常に大きな逆風に直面している、というのが関係者の見方だ。
関係者が明かしたこのような状況は、トランプ米大統領の返り咲きによって欧州が地政学上の新たな時代を迎える中で、ドイツが危うい立場に置かれていることを浮き彫りにしている。
ロシアがNATOの東端部分に攻撃を仕掛けてきた場合、真っ先に反撃する地上部隊兵力の大部分を供出する役割を担うのがドイツとポーランドだ。
これを踏まえてショルツ氏が評した「時代の大転換」の下でのドイツ国防改革は、関係者によると国内の緊迫感の欠如や、調達システムの機能不全、資金難といった理由から今のところ進展していない。
関係者は、ドイツが今年初めまでに完全装備の部隊をNATOに提供できていないし、同部隊を支援する防空戦力も存在しないと指摘。27年までに提供を約束した部隊に至っては装備の充足率が20%程度に過ぎず、今から全てを発注しても期限までに整わないと、野党キリスト教民主同盟(CDU)議員で議会の予算委員会に属するインゴ・ゲデヒェン氏は解説した。
<トランプ氏の圧力>
トランプ氏は欧州に防衛費負担を増やすよう圧力をかけているほか、米政府内でウクライナの戦争終結交渉が話題になっているだけに、ドイツの軍備のぜい弱さはことさら注目を集める格好だ。またウクライナでの停戦が実現すれば、ドイツは停戦監視に必要な軍事面でのさらなる要求に直面するだろう。
ドイツの主要政党はいずれも、NATOが求める最低限の防衛支出である国内総生産(GDP)比2%を維持すると公約している。ただトランプ氏はNATOに支出を2倍以上に増やしてGDP比5%を目指してほしいと要望。NATO自体もGDP比3%への目標引き上げを検討中だ。
ドイツのピストリウス国防相は先月、連邦軍の即応態勢を確保するためにはGDP比3%の支出が必要になると述べたが、トランプ氏が呼びかけた5%はドイツ政府予算全体の4割を超えてしまうと訴えた。(中略)
<国民の意識が足かせ>
ロシアのプーチン大統領は軍が2方面の脅威に対応できるようにするため、総兵力を150万人に増強する取り組みを進めている。
一方ベストナー氏は、14年以降のロシア軍によるウクライナへの軍事力行使に対して欧州でドイツだけが鈍い反応をしたわけではないとしつつも「特に国民が『スヌーズ(アラームの一時停止)ボタン』を押した」と語り、防衛問題に対する国民の冷めた姿勢が改革の遅れに影響したと認めた。
実際1月に行われた世論調査では、次期政権にとって喫緊の課題としては国防よりも移民と経済が上位に挙げられた。
冷戦時代のドイツ(旧西ドイツ)の防衛支出はGDPの3-4.5%に上り、現役兵50万人と予備役80万人の態勢を維持していた。しかし現在の連邦軍は、18年に設定した20万3000人という目標兵力にいまだ到達しておらず、常設部隊では2万人ほど人員が不足しているという。
CDUのバデフル氏は、ドイツが戦闘即応性を備えるには現役兵25万人前後、予備役50万人が必要になるとみている。
最新の世論調査によると、総選挙後にはCDUと社会民主党(SPD)の連立政権が発足する公算が最も大きい。ただ極右や極左の政党が第3勢力の統一会派を組み、連邦軍への支出をするための新たな特別基金創設などに反対する可能性もある。【2月17日 Newsweek】
*****************
ドイツでは2月23日に総選挙が行われます。事前の予測では極右「ドイツのための選択肢(AfD)」が高い支持率を得ています。AfDは政権には参加しないと見られていますが、親トランプそしておそらく親ロシアの同党の躍進如何では、ドイツの決定に大きく影響してきます。