今日12月12日&明日13日は一年のうちで最も
『お月さまが大きく見える』日なのだそうです。
こんにちは、ネーさです。
「テディちゃでスゥ~♪
おッつきィさまァ、いくつゥ~♪」
♪じゅうさんなな……ではなくて! えへん、
本日も御本の紹介へと参りましょう!
はい、こちらを、どうぞ~!
―― 迷子石 ――
著者は藤井邦夫さん、’05年3月に発行されました。
副題に『秋山久蔵御用控』とあります。
「あッ、よりきィのォ、おじちゃんッ!」
おじちゃ……えへん、おほん、ごほん、
テディちゃ、与力さんて偉いんですから、お静かに!
「ほぺッ? えらいィのでスかッ?」
そうらしいんですね。
秋山久蔵さんは南町奉行所の与力さん、
同心さんたちを指図する立場の御方です。
先日ご紹介しました
『神隠し 秋山久蔵御用控』で登場した久蔵さんは、
南町奉行所吟味与力を務めています。
同心さんたちと異なり、
与力ともなると、
通常は事件捜査のために
ほいほいと出歩いたりはしないもの、らしいんですね。
久蔵さんは、その枠をはみ出している御方です。
悪いヤツをひっ捕えるのに必要だと思えば
自分の足で町を巡り、
時には剣をふるいます。
「おじちゃんはァ、こうどうはッ!」
しっ! おじちゃんは止めなさいって、テディちゃ!
5話から成るこの御本の中でも、
久蔵さん、やはり奉行所の奥で事件を片付けちゃおう、
などとは考えません。
同心たちを指揮しつつ、
お江戸の町から町へ走ります。
表題作『迷子石』の冒頭で、
久蔵さんが急ぎ向かうのは両国広小路の米屋『大黒屋』さん。
大黒屋さんに盗人が押し込むと、
久蔵さんのお屋敷に投げ文があったのです。
「ひゃあッ!
だいじけんでスゥ!」
駆けつけた久蔵さんが大黒屋の店先で見出したのは、
おや……?
意外なことに……?
「あれれッ?
だいじけんッ、じゃないィのかなァ??」
回を追うごと、
登場人物は陰影を増し、
久蔵さんのお江戸は拡がってゆきます。
捕物帖好きさんに、
ミステリ好きさんにも、お奨めですよ~!
出来ましたら、江戸の古地図をお手元に、ごゆるりと!
「おじちゃんッ、しぶいィぜッ!」
あのね、テディちゃ。
「ふァいィッ!」
……いえ、お話は後ほど、じっくりと。