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テディちゃ!
ネーさは、ハズしますわよ!
「ふァ?? なにィのことでスかァ? はずスゥ~??」
今日12月24日はクリスマスイヴ。
ハートウォーミングなクリスマスストーリーを……
なぁんて、普通過ぎます!
本日ご紹介いたしますのは、はいっ、こちら!
日本人なら誰もが知っているホラーストーリーを、どうぞ~!
「ひィィィ~~~ッ!!」
―― 耳なし芳一・雪女 ――
著者は小泉八雲さん、訳者は保永貞夫さん、挿絵は黒井健さん、
原著である『怪談』は1904年に、
画像の講談社青い鳥文庫新装版は’08年8月に発行されました。
副題に『八雲 怪談傑作集』とあります。
「ななッ、なんでェなのでスかッ!
なんでェ、くゥわいィだんッ!
こわいィ~ッ!」
それは正しい反応ですね、テディちゃ。
八雲さんも、奥さんの節子さんが語るのを聴きながら、
おお怖い、と震えていたそうですよ。
この御本には八雲さんを震え上がらせた『怪談』の中から
20話が選ばれ、収録されています。
「うわゥあゥ~ッ」 (←両手で耳を塞ぎ中です)
巻の第一話は、『耳なし芳一』……
盲目の琵琶弾き芳一を見舞った災難は、
ええ、申すまでもありませんね、
壇ノ浦に沈んだ平家の人々が抱え続ける恨み悲しみを、
あまりにも巧みに弾じてしまったがため……。
第二話は『雪女』、
さらに『むじな』、『おしどり』、『鳥取のふとん』……
「ひィッ、そんなにィたくさんッ?」
けれど、惹かれるまま、読み進むうち
……あれ?と思いませんか?
これが『怪談』……?
以前に感じたほど、怖くない……?
「えッ? こわくないィのォ?」
映画やTVの映像で、スプラッタだのホラーだのを
散々見せ付けられている現代人は思うかもしれません。
『怪談』て、そんなにびびるもんでもないじゃん?
「そ、そうなのォかなッ??」
収録作品をよくよく読み直せば
『果心居士の幻術』は歴史もの、
『羽を折られた天狗』はファンタジー、
『茶わんの中の顔』は不条理ミステリー……?
そう、ここにあるのは『ものがたり』。
八雲さんを魅了したのは、おそらく、怖さよりも、
物語そのものが発する力、だったのでしょう。
《そのとき、そこに、いったい何がおこったのか?》
「なにッてェ……
やッぱりィこわいィことォ、おこッたのでスよゥッ」(←もうヤケです)
『怪談』は様々な版が流通していますが、
敢えて画像の『青い鳥文庫』版をお奨めするのは、
黒井健さんの挿絵が素晴らしいから!なんです。
本文に掲載されている挿絵はモノクロですが、
ああ惜しい!
カラーで見たい!
画集にしてほしい!
黒井さんファンの嘆きが聞こえてくるかのようです……
東京近辺はホワイトクリスマスにはなりそうもありませんが、
では皆さま、
この世のはてをゆくものがたりとともに、
楽しい聖夜を!
「むぎゅぎゅゥ~ッ!」 (←耳も目もギュッと塞ぎ中、なのでした)