とことことこ……。
大英帝国の首都ロンドン、
その片隅を歩いておりますのは、
一匹のシロクマベア――
「あァーあ、きょうはァ、大晦日かあ……」
ゴーン、ゴーンと響くのは、
セントポールの鐘の音でしょうか。
「こんな日には、わが友、テディちゃムズが懐かしい……!」
医学博士ユキノジョン・H・ワトソン氏は呟きます。
ええ、そうです。
世界初の諮問探偵にして比類ない頭脳の持ち主、
テディちゃムズ!
彼とともに年を越したことも、今は遠い思い出。
往診を終え、ベイカー街の下宿に戻っても
火事かっ?!と勘違いするほど
パイプをくゆらすあの、茶色のクマ影はないのです。
「今頃、テディちゃムズはライヘンバッハの滝の底なんだ……」
《犯罪界のナポレオン》ことネーさ教授との死闘で、
テディちゃムズは不帰のテディクマとなったのでした。
ああ、悔しい!
唇を噛み、ユキノジョン・H・ワトソンは
ベイカー街221Bの窓を見上げます。
テディちゃムズが生きていたなら、
あの窓に揺れるクマ影が――
「あッ!
あれはッ? あの影は?!?!」
窓に映るは、テディクマのシルエット。
あれは、あのずんぐりしたクマ影は!
まさか!
「テ、テディ、ちゃム、ズズッ、ズ、あわわわッ!」
どたどた、どたたたっ。
足と舌をもつれさせ、
下宿の階段を駆け上るユキノジョン・H・ワトソン博士!
ドアを開けた博士が目にしたものは――
「やァ、ユキノジョン・H・ワトソン、
げんきィだッたかいィ?」
《次回に続く!》
大英帝国の首都ロンドン、
その片隅を歩いておりますのは、
一匹のシロクマベア――
「あァーあ、きょうはァ、大晦日かあ……」
ゴーン、ゴーンと響くのは、
セントポールの鐘の音でしょうか。
「こんな日には、わが友、テディちゃムズが懐かしい……!」
医学博士ユキノジョン・H・ワトソン氏は呟きます。
ええ、そうです。
世界初の諮問探偵にして比類ない頭脳の持ち主、
テディちゃムズ!
彼とともに年を越したことも、今は遠い思い出。
往診を終え、ベイカー街の下宿に戻っても
火事かっ?!と勘違いするほど
パイプをくゆらすあの、茶色のクマ影はないのです。
「今頃、テディちゃムズはライヘンバッハの滝の底なんだ……」
《犯罪界のナポレオン》ことネーさ教授との死闘で、
テディちゃムズは不帰のテディクマとなったのでした。
ああ、悔しい!
唇を噛み、ユキノジョン・H・ワトソンは
ベイカー街221Bの窓を見上げます。
テディちゃムズが生きていたなら、
あの窓に揺れるクマ影が――
「あッ!
あれはッ? あの影は?!?!」
窓に映るは、テディクマのシルエット。
あれは、あのずんぐりしたクマ影は!
まさか!
「テ、テディ、ちゃム、ズズッ、ズ、あわわわッ!」
どたどた、どたたたっ。
足と舌をもつれさせ、
下宿の階段を駆け上るユキノジョン・H・ワトソン博士!
ドアを開けた博士が目にしたものは――
「やァ、ユキノジョン・H・ワトソン、
げんきィだッたかいィ?」
《次回に続く!》