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クリスマスイブイブにして祝日、ですね。こんにちは、ネーさです。
「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
♪はぴィ、はぴィばーすでィ~♪」(←威儀を正して捧歌しております)
クリスマスシーズンに合わせての《クリスティーを!》企画も
さあ、イブイブの今日がオオトリとなりました。
テディちゃ、行きますよ~!
「ふァいッ!
みなさまァ、こちらをォ、どうぞォ~ッ♪」
―― 謎のクィン氏 ――
著者はもちろんアガサ・クリスティーさん、
原著は1930年に発行されました。
英原題は『THE MYSTERIOUS MR.QUIN』、
11篇の短編ミステリが収録されています。
「みすたーくぃんッ?
あれッ? ぽあろォさんはッ? まーぷるさんはッ??」
この御本で探偵役を務めるのは、
スタイリッシュなポアロさんでも、
エレガントなマープルさんでも、
元気なトミー&タペンス夫妻でもありません。
クリスティー作品中では最も地味と評しても
過言ではない或る紳士――
サタースウェイトさんとクィンさんが、
探偵として活躍いたします。
御歳62のサタースウェイトさんは、好奇心旺盛なジェントルマン。
世間の出来事あれこれを見物するのがだぁ~い好き♪
社交界の些細な動き、噂やニュースを、
彼はレーダーのようにキャッチしちゃうんです。
そしてクィンさんは、といいますと……
「ふむふむッ、どんなひとォでスかァ?」
題名通り、《謎のひと》です。
クィン氏の生まれ、背景、職業も、
明確には書かれていません。
が、謎めいたクィンさんとサタースウェイトさんが
事件の現場で出会うとき、
まるで何かの力が働いたかのように、
真相が見えてくるのです。
「みすてりあすゥでェ、ふぁんたじッくゥ!」
長い間、世界を見物することで満足していたサタースウェイトさんは
クィンさんと逢うごと、
事件を解くごと、
見物席から舞台の上へ、
光(ライト)の中へと移動してゆきます。
今日もまた、
招かれた晩餐会で、
週末のパーティーで、
嵐の夜の宿屋で、
クィンさんとサタースウェイトさんは出会います。
はたして、ふたりの探偵は、
世界をあるべき姿に修復できるのでしょうか――
「ぎょえェッ、なんもんッ、でスよゥ~」
安楽椅子探偵ものの要素も強い物語は、
ミステリ好きさんにきっと満足していただけるでしょう。
ポアロさんやマープルさんの陰に隠れ、
目立たなくとも実は一流!のクリスティー作品を、
ぜひ、クリスマス休暇に、どうぞ~!
「ではッ、みなさまッ、すてきなァ、ほりでィをッ♪」