テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

雨なくして。

2010-02-04 23:07:34 | ブックス
 カシミア100%よりもアンゴラ100%のニットの方が絶対に暖かいわ!
 と思うネーさです、こんにちは。
 立春なのに、冷え込んだ一日でしたね。

「こんにちわッ、テディちゃでス!」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 本日ご紹介いたします物語の季節も……冬。
 街角に、事件現場に、寒風が吹きつけておりますよ。
 さあ、活字マニアの皆さま、こちらを、どうぞ~!


 
                  ―― インビジブルレイン ――



 著者は誉田哲也さん、’09年11月に発行されました。
 警視庁捜査一課捜査係の警部補・姫川玲子さんを主人公とするシリーズの
 最新刊です。

「うむむッ! みすてりィでスねッ!」
「がるーるぐる!」(←訳:警察小説かも!)

 ええ、そうですね。
 ミステリにして警察小説……ですが、
 ややノワールなハードボイルドとも言えましょうか。

 年の瀬も押しつまる12月の半ば、
 姫川警部補の携帯にかかってきたのは……ああ、仕事絡みの急報です。
 帰宅途中だった姫川さん、タクシーをつかまえ、
 現場に到着しましたものの……おや、何やら様子が変?

「だいこんらんッ、なのでスかッ?」
「がるるるっ?」(←訳:野次馬いっぱいとかっ?)

 姫川さんの注意を惹いたのは、
 既に現場に到着していた捜査員さんたちの顔ぶれでした。
 所轄署の四課の警部補さんがいる……?
 ということは、この事件、被害者は暴力団関係者……?

 捜査一課と四課(組織犯罪対策部四課)の合同捜査は、
 いえ、四課が主導権を握る捜査は、
 姫川さんたちの行動をややこしくします。
 また上司たちは上司たちで、何事かを隠しているらしく、
 捜査の現場はますます混乱し、
 士気は低迷するのでした。

 姫川さん、歯噛みいたします。
 このままでいいわけはない!

「むぽぽゥ!
 それでこそォ、けいぶほさんッ!」
「がるーる!」(←訳:腕利きだ!)

 しかし、姫川さんが見出す事件の深部は、
 悲劇としか言いようのない様相を呈し始めます……
 解決しても、誰も幸福になれない、安堵できない――
 これは、そんな事件なのでしょうか。

 直木賞を受賞した原りょうさんの名作ハードボイルド『私が殺した少女』や
 『さらば長き眠り』を想い起こさせる、
 硬質なミステリ作品です。
 題名の、インビジブルレインとは?
 姫川さんが暴く真相とは?

「れいんッてェ、あめッ、でスねッ?」
「がるーる?」(←訳:見えない雨、って?)

 えへん、
 ここで、雨についての格言をひとつ。
 ハワイでは、こう言うのだそうですよ。

 『NO RAIN、NO RAINBOW』――
 雨なくして、虹なし。
 
 雨が降らなければ虹も出ないんだよ、といった意味ですね。
 『見えない雨』が過ぎた後、
 姫川さんを迎えるのはどのような未来なのか……
 できるなら明日にも次作が読みたくなる一冊です。
 ミステリ好きさんには、とりわけおすすめ!ですよ~♪

「いッきよみィ、すべしッ!でスねッ」
「ぐるがるっ!」(←訳:でも徹夜はだめだよっ!)
コメント
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