テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

等身大の《謎》解き法。

2010-02-15 23:18:58 | ブックス
 ああ、バレンタインシーズンが……ショコラの季節が終わってしまいましたね……
 こんにちは、悲しみにくれるネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃでス!」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)
「ネーさッ、だいじょうぶゥでスよゥ! ほわいとーでーがァ、ありまスッ」
「がるるるーるぐる!」(←訳:その前に雛祭りもあるよ!)

 あらっ、そうですね!
 可愛い色合いの雛あられを想うと元気が出てきます♪
 では、本日ご紹介いたしますのも、
 不思議と元気をくれる?このミステリにいたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!


 
               ―― 密室から黒猫を取り出す方法 ――



 著者は北山猛邦さん、’09年8月に発行されました。
 副題に『名探偵音野順の事件簿』とあります。

「くんくんッ!
 うむッ! せいとうはのォ、においィがァするでスよッ!」
「ぐるるっ!」(←訳:本格派の匂い!)

 題名に『密室』と謳うくらいですから、
 そうです、正統派ミステリの気配がいたしますね。
 犯人はおまえだ!と強気に名指しする名探偵さん、
 おおっ!と、どよめく容疑者一同と読者……と思いきや。

 音野順(おとの・じゅん)さんは、
 好青年なんですけれど、気弱で、消極的で、ひきこもりがち。
 悪人との対決、とかって……うぅ~ん??

「むぽッ? 
 やるきィ、なしッ、でスかッ?」
「がる~……」(←訳:暗い~……)

 音野探偵さん、
 探偵助手の白瀬(しらせ)くんに引っ張られるようにして
 事件現場へ向かうのです。
 現場に着いても、おどおどしたり、
 警察の車両を目にすれば、帰ろう!と言い出したり……。

 が、ひとたびスイッチが入ると。
 音野くんには、見抜けちゃうんです。
 犯罪の構造も、
 犯人も。

「おおッ! それでこそォ、たんていィさんッ!」
「がるるー!」(←訳:頑張れー!)

 本格ミステリというと、
 理論上では可能かもしれないけど
 ちょっと納得しがたいなぁ~?
 トリック先行でストーリーが破綻してるような?
 と言いたくなる作品も多いのですが、
 音野探偵さんと白瀬助手さんの物語に登場するのは
 等身大の《謎》解き。
 へんてこだけど、有り得る!
 というミステリなんですね。

 表題作品でもある巻頭の『密室から猫を取り出す方法』、
 SFとホラーの雰囲気を加味した『人喰いテレビ』は
 特におすすめです!
 読後感も、雅やかとさえ形容すべき品の良さ~♪

「おいしィ~こうちゃッみたいィ♪」
「がるるぐる~?」(←訳:香りの良いコーヒーでしょ?)

 ミステリ好きさん、
 ティータイムのおともに、ぜひ!
コメント
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