テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

リベンジ、成りますか?

2010-02-10 23:28:24 | ブックス
 ショコラファンの皆さま、本日も――

「ぶーッ!」(←ブーイングです!)
「がるー!」(←訳:ぶー!)

 ……わかりました、わかりましたってば。
 えへん、またもショコラトークに走りたいのは山々なのですが、
 今日は久しぶり~の読書ネタに復帰となりました。
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!」
「がるるっ!」(←訳:虎ですっ!)

 本日ご紹介いたしますのは、
 バレンタインシーズンに相応しく、
 《愛の謎》の解明に挑む?勇猛果敢なユーモアミステリです。
 さあ、草食系さんも肉食系さんも、こちらを、どうぞ~!



                   ―― 復讐はお好き? ――



 著者はカール・ハイアセンさん、原著は2004年に、
 日本語文庫版は’07年6月に発行されました。
 英原題は『SKINNY DIP』、
 ’07年度のベストミステリにもランキングされ、
 とても評判になった作品です。

「ふくしゅうゥ……なんだかァ、しぇいくすぴあッぽいィでスねッ♪」
「がるーるぅ!」(←訳:悲劇的なのかなぁ!)

 舞台は、シェイクスピアの時代からは遠く隔たった現代の、
 気候温暖なフロリダの海辺です。
 が、主人公のジョーイ・ペローネさんにしてみれば、
 現在の状況はシェイクスピアの演劇を超越した
 絶対的な悲劇の真っ只中なのでした。

 メキシコ湾クルーズの豪華客船から、
 夫の手によって夜の海に突き落とされた、なんて!
 
「ひゃーッ!
 それはァ、はんざいィでスゥ!」
「がるるっ!ぐるー!」(←訳:それより泳いでっ!頑張って!)

 ええ、そうです。泳がなくては!
 学生時代は水泳部の副キャプテンであったジョーイさん、
 夫への怒りに燃え、
 臆せず泳ぎ始めて……気付きました。
 フロリダというとリゾートのイメージが強いのですが、
 四月の深夜は海温も低く、
 風は強くて、波も高いのです。
 泳げども泳げども、
 海岸線は、いっこうに近付いてきません。
 手足は痺れ、疲労は増すばかり……。
 
 しまったわ。
 泳ぐよりも、波間に浮かんで救助を待つべきだったのね。

 朦朧とする意識の中、
 思い出したのは、このあたりには鮫がウヨウヨいるのだという噂でした……。

「さッ、さめェでスかッ?!?
 こわすぎるゥでスゥ!」
「がるー!」(←訳:人喰鮫だな!)

 闇の海に流されながら、
 ジョーイさんは決意します。
 あいつに復讐してやる!
 あたしを海に突き落としたあの野郎に、復讐してやるわー!

「……きもちはァ、わかりまスでスねェ……」
「ぐるがる~……」(←:まあね……)

 ジョーイさん、どうやって復讐するのでしょう?
 いえ、その前に、助かるんでしょうか?
 妻をまんまと葬り去った夫の行動は?
 夫が何をしたか、薄々真相を勘付いているらしい刑事さんの出方は?
 悪人、善人、7フィートのニシキヘビやポメラニアン、
 アライグマまでもが入り乱れ、
 復讐譚は……なんだか随分とこんがらがってゆくようですが
 ……ジョーイさん、大丈夫かしら?

「ふぁいとォ!
 ひげきのォしゅじんこうさんッ、ふぁいとォでスよッ!」
「がるーぐるがるるー!」(←訳:根性入れて泳ごうー!)

 ミステリ好きさん、
 ハードボイルド好きさん、
 そして、笑えるへんてこストーリーをお探しの御方に、おすすめです。
 チョコレートは苦手だけど海外ミステリは好きだという御方への
 バレンタインプレゼントにもぴったりの一冊ですよ~♪

「ここでェ、ことわざをォ、ひとつゥ!」
「がるるーがるるーる!」(←訳:復讐は程よく冷めた頃がいちばん美味いのさ!)

 えー、良い子ちゃんたち、
 復讐は神さまにお任せしましょうね。
コメント
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