テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

夜明け前こそ。

2010-02-25 23:34:26 | ブックス
 デスレインのハバネロという辛~いポテチを食べてみましたら……
 ひゃあああっ!からい~!とギブアップしてしまったネーさです、こんにちは。
 ううう、まだ喉が……痛いです……。

「こんにちわッ、テディちゃでス! ほんとにィ、からいィッ!」
「がるるっ、がるー!」(←訳:虎ですっ、ホットですー!)

 ハバネロにノックアウトされた喉をクールダウンさせるために、
 ジェラートなどいただきながら、

「いただきまスゥ!もぐぐッ」
「がるーるるる!」(←訳:いただいてまーす美味しいです!)

 はい、本日味わう御本は、こちらの一冊です! どうぞ~!


 
                ―― フリーター、家を買う。 ――


 
 著者は有川浩さん、’09年8月に発行されました。
 『図書館戦争』シリーズですっかり人気作家さんとなった有川さんが
 この御本で主人公に据えたのは……
 フリーターの、武誠治(たけ・せいじ)くん!

「もぐもぐッ、ふむふむゥ?
 あるばいとちゅうゥ~、なのでスかッ」
「がるる?」(←訳:フクザツな事情が?)

 現在、誠治くんが抱えているのは、まさに
 複雑な事情です。
 なりたくてフリーターになったわけではなく、
 就職活動にもちょっと疲れちゃって、
 なんとはなしに、両親とも疎遠になっていたら……
 お母さんが、こころの病になってしまいました……!

 いったい、どうして?
 その原因は?

 お母さんの病気の原因を教えてくれたのは、
 お嫁に行った誠治くんのお姉さん――亜矢子さんでした。
 
 遠くへお嫁に行った姉でさえ、
 お母さんの病状を察して心配していたのに、
 俺は何をしていたんだろう……。

「あうゥ~、しょッくでスゥ~」
「がる~ぐる~……」(←訳:衝撃だよなぁ~……)

 衝撃は、誠治くんの気持ちを変えました。
 お母さんのために。
 お母さんのために、何かしよう。
 お医者さんが言うには
 『今の環境から出してあげるのが一番』だとのこと、
 だったら、就職して、うんとお金を稼いで、
 家を買ってあげようじゃないか、
 お母さんに!

「むむゥ!
 それでェ、だいめいのォ、『いえをかう』なのでスねッ!」
「……がるるがる~る?」(←訳:……でもそれ、難しそうだぞ?)

 ええ、こんな御時世ですもの、
 フリーターをやっていた誠治くんを雇ってくれる会社は、
 そうそう見つかりません。
 
 だけど、出来ることから始めなくちゃ。
 少しでもお金を稼いで、
 お母さんの心にかかる負担を減らすために……。

 手っ取り早くお金を稼ぐ手段といえば、
 『現場仕事』。
 建築や道路の工事現場で働く、きつい、肉体労働ですね。
 誠治くんも、そこへ飛び込んでゆきました。
 日給の高さにつられ、やってきては、またすぐ辞める、
 そんな若者たちの中で、
 二ヶ月も現場に喰らいついている誠治くん。
 彼の内部で、
 そして周囲でも、
 何かが変わってゆくようですが……?

「ふんばりィどころでスよゥ、おにいさんッ!」
「がるるっ!」(←訳:あとちょっとだ!)

 『図書館戦争』とはまた違うベクトルではありますが、
 同じように《闘う》青年の日々を、著者・有川さんは描きます。
 読み手は、どうか誠治くんのもとへ幸福がやってきますように……と、
 祈らずにはおれません。
 はたして、フリーター生活に終焉は来るのでしょうか?

 有川さんの作品を未読の活字マニアさんも、ぜひ!
 また、有川さんの最新作、
 誠治くんの分身のような?演劇に夢中になっちゃってる青年たちが主人公の
 『シアター!』もおすすめですよ~!

「ぐッどらッくゥ! ふりーたーおにいさんッ!」
「がる~るぐるっる!」(←訳:夜明け前がいちばん暗いのさ!) 
 
コメント
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