テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

今日も鬼門が彼を待つ…?

2010-05-11 23:18:10 | ブックス
 GW期間は大混雑だった高尾のお山も、今日は霧と雨の中……
 小寒い東京・多摩地方から、こんにちは、ネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!」
「ぐるがるー!」(←訳:虎ですー!)

 連休の後といえば……五月病の季節??
 いいえ、ウツになってるヒマなんてありませんわ!
 と言いたくなっちゃう楽し&忙し?な一冊を、
 本日はご紹介いたしましょう。
 こちらを、どうぞ~!


 
                  ―― 白戸修の狼狽 ――


 
 著者は大倉崇裕さん、’10年4月に発行されました。
 5編の連作短編から成る新刊ミステリですよ~♪
 主人公の白戸修くんは、『白戸修の事件簿』でも主役を務めました
 《巻き込まれ》型の新種生物、いえ失礼、新種の探偵さんです。

「ふァ~、まきこまれがたァ~……」
「ぐるぐるがるる~」(←訳:苦労が多そうだね~)

 望んだわけでもないのに、
 何故か事件に巻き込まれてしまう――
 それが《巻き込まれ》型ミステリの定義、と申せましょうが、
 白戸修(しらと・おさむ)くんのケースは
 ちょっと特殊です。

 JR中央線の、中野駅。

 大ターミナル新宿からも程近い、
 東京に通勤通学する方々にはよく知られる
 中野の駅。
 白戸くんにとって、この中野駅は
 紛れもない鬼門!
 ここに行くと、何かが起こる……!
 
 いえ、行きたくはないんです、
 行きたくはなくて、行くと危険なのだとよ~く分かってはいても、
 人には、あるじゃありませんか、
 どうしても逆らえない事態、状況ってものが。
 例えば、上司さんから、
 そこへ行け!
 と命令された場合は……。

「うむむゥ~、いかないィとォ、おこられちゃうゥッ!」
「がるがるるーる!」(←訳:行かないとマズイよね!)

 白戸くんも、そう考えたのですよ。
 中堅出版社『世界堂出版』に就職してまだ二ヶ月、
 白戸くんは押しも押されぬピカピカの新人社員さんです。
 『月刊模型』の先輩編集部員・牛島さんに、
 この荷物を持ってこの住所へ急げ!
 と言いつけられたら、
 時計の針が午後十時をとっくに回っていようとも、
 行かない訳にはいけません。
 
 でも……この番地……
 うぅっ、中野の駅の近くですって?!?

「きけんでスゥ! ぴんちでスゥ!」
「がるがるぐるるるるー!」(←訳:胸のカラータイマーが点滅しちゃうよー!)

 北口の改札を出て、一歩、また一歩……
 白戸くんの予感は的中しました。
 道に、迷った……
 だけじゃない!
 前方には挙動の怪しい不審者が?
 
「むぽぽッ♪
 わるいィよかんというのはァ、あたるゥものでス!」
「ぐるるっ!」(←訳:だよねっ!)

 しかし、ここからが新種巻き込まれ型探偵の真価であり、
 見どころ読みどころ!
 巻き込まれている筈なのに、
 白戸くん、確かな観察眼で事件の流れを見つめます。
 これは……もしかして……?

 笑っちゃうような非常識事態を、
 恐い目に遭いながら、
 へとへとになりながら、
 白戸くんは見事なタフガイ探偵ぶりを、あら失礼、
 腕力よりも知力!な探偵さんに変身っ!

「とうゥッ!」
「ぐるぐるがるる~」(←訳:ジャンプはしなくていいから~)

 楽しくも、実は本格!
 柔軟でありながら剛健!
 ユーモアあり浪花節あり?
 全身全霊で事件に巻き込まれる白戸くんの探偵譚で、
 ウツウツ気分、吹き飛ばしましょ!
 ネーさのおすすめは第3話『タップ』ですよ~!
 
「みなさまもォ、なかのえきにはァ~」
「がるる!!」(←訳:要注意!!)
  
コメント
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